「オープン陣営を築き、特定ベンダーのロックインに対抗する」
HP CloudAgileプログラムは、このコンセプトや製品群に沿って提供される。執行役員 エンタープライズグループ営業統括 クラウド営業統括本部長の松浪幹生氏は、HP CloudAgileブログラムには大きく3つの取り組みがあるとし、それぞれの内容を以下のように紹介した。
1つめは、マーケティングや営業活動での包括的な協調だ。エンドユーザーのニーズに合ったHP製品の営業活動を共同で行う。サービスプロバイダーによるHP製品の販売実績は、後方支援するHPの営業部隊の実績としても評価する仕組みだ。また、サービスプロバイダーがマーケティングを実施する際の資金(ファンド)も拠出する。
2つめは、クラウド基盤やホスティング環境などの技術支援だ。具体的には、プライベートクラウド基盤構築に向けてCloudSystemを無償で貸し出す「HP CloudSystem導入支援プログラム」や、リソースバースティング機能(ピーク時にリソースを各クラウド間で移し替える機能)のAPIを提供する「HP CloudAgile Bursting導入支援プログラム」、Cloud OS(OpenStack)の管理環境を提供する「HP最新テクノロジーのご提供」がある。
3つめは、サービス開発に向けたデモ環境やトレーニング環境の提供だ。プロバイダーが新規にクラウド環境を立ち上げる際に、時間、コストを節約できるように、技術トレーニングを実施したり、デモ環境を貸し出したりする。日本HPの大島オフィスや、海外のHPの拠点で同じ品質の技術トレーニング、検証環境の貸出が可能という。また、ファイナンス、資金面でも「HPファイナンスサービス」を通じて、ビジネスプランに合わせた支払いモデルの提案などを行う。
「オープンなクラウドを志向するプロバイダーと協調してオープンクラウド陣営を築いていく。エンドユーザーにとっては、HPの支援を通じて、パートナーのサービスについての情報を得る機会が増し、よりオープンで高品質なサービスを検討できるようになる。パートナーとのエコシステムを通じて、クラウド市場における特定ベンダーのロックインに対抗してきたい」(松浪氏)