2年半前、BIビジネスの拡大を発表したアビームコンサルティング。その時に設定した目標は、BIに関連するコンサルティングサービスの売り上げを50億円にするというもの。当時はかなりアグレッシブだと思われたこの目標金額を、同社は2012年度に見事達成した。この領域の市場ニーズが確実に増え、ビッグデータ活用への企業の関心の高さも、このような高い目標が達成できた理由だろう。今回、新たなBIビジネス事業の強化を発表したアビームコンサルティングは、さらに挑戦的な目標を設定した。
今年度はお試しが多し、来年度以降にビッグデータ活用は本格化する

「2年で売り上げ100億円を目指します。これには、十分な勝算があると考えています」と語るのは、アビームコンサルティング 執行役員 プリンシパル プロセス&テクノロジー第4事業部長でビジネスインテリジェンス統括事業部長の中本雅也氏だ。
実際、コンサルティング会社へのBI、ビッグデータに関する相談は増えている。従来型のレポーティング、データマイニング、経営ダッシュボードの導入の話などももちろんあるが、ビッグデータを活用したい、より高度な分析を行いたいといった要望がいま、増えているのだ。さらに、データ分析を行うためのコストが下がってきたことも、追い風要因だ。いままでデータもあり、やりたいこともあったけれど、コストやシステムの性能面などから躊躇していた、そんな企業がまさに新たな動きを始めている。
とはいえ、ビッグデータを分析しデータに基づく経営を行う動きは、端緒についたところだと中本氏は指摘する。ビッグデータの活用事例の話もよく耳にするようになったが、同じ企業の事例であったり特定の業界の話であったりすることが、まだまだ多いのが現実だ。
「先日も、顧客のビッグデータ活用の提案を行いました。このぐらいの規模のデータ活用なら、1億円くらいはかかりますと提案したら、顧客からはゼロが1つ多いと言われてしまいました」(中本氏)
今年の動きは、ビッグデータ活用や新たなデータ分析の「お試し」的なものが多く、その結果を踏まえ来年度以降に大きく予算取りをし、本格的に動き出すだろうと分析する。
この記事は参考になりましたか?
- この記事の著者
-
谷川 耕一(タニカワ コウイチ)
EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア