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「消費者との共創」をいかに実現するのか?コ・イノベーション時代のビジネスモデルを考える

第10回:イノベーションに効く翻訳書06:『コ・イノベーション経営: 価値共創の未来に向けて』 

「消費者とともにイノベーションを起こす時代」を予言する

 コ・イノベーション経営の根底にある概念は、企業を中心とした価値創造から、消費者と一緒になって新しい価値(経験価値)とイノベーションを実現する「価値共創(コ・クリエーション)」の時代の到来を示唆するものです。さまざまな切り口と多くの企業事例が、丁寧に説明されていますので非常に説得力があります。

 事例の1つとしてヘルスケア業界における心臓ペースメーカーと心臓疾患の患者との価値共創とそれを支える複数の関係者のネットワークが示されています(図1)。

価値共創
図1: ペースメーカーと患者による価値共創

 この事例において、顧客としての患者が受け取る価値とは、プロダクトとしてのペースメーカーから生まれるのではなく、特定のタイミングでイベントや場所に関連した患者個人としての共創経験から生まれるものであると説きます。また、複数の企業(ペースメーカーをノード企業とする協働ネットワーク)が、この共創経験を実現するための環境を患者に提供していることを表しています。

 このような時代への移行の背景として、1:テクノロジー融合とデジタル経済の進化、2:グローバリゼーションと規制緩和による業界や国境の垣根の低下、3:インターネットやソーシャルメディアの進展による企業と消費者間の情報格差の縮小などが挙げられるでしょう。

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価値共創を解明する

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この記事の著者

白井 和康(シライ カズヤス)

 ITコンサルティング会社所属。IT業界において20年以上にわたり、営業、事業企画、マーケティング、コンサルティングと幅広い役割に従事。2年前のある日、「日本のビジネスに光を!」という天からの啓示を受けて以来、ビジネス構造の究明と可視化に没頭中。好きな言葉は、「人生とは、別の計画を作るのに忙しいときに起こる出来事である。」(ジョン・レノン)Facebookページ「ビジネスアーキテクチャー研究ラボ」を運営中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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