OSS-DB Gold取得で周囲からPostgreSQLの質問を受けるように
さてここからは岸田さんとPostgreSQLとの関わりについて。これまで岸田さんは主にOracle Databaseに携わってきたものの、近年ではPostgreSQLも使うようになってきたという。これまで説明してきた地点情報を整備するメインのシステムではOracle Databaseを利用しているが、そこにデータを格納する前の加工工程のサブシステム等でPostgreSQLを利用している。
ここでポイントとなるのがエリアで管理するデータ。住所のデータというのは複雑だ。複雑な形をしたエリアに町名が割り当てられているからだ。これをうまく処理するために複雑な形の範囲情報をポリゴンで持ち、その範囲に住所を割り当てるということをするそうだ。このポリゴンデータを管理するサブシステムでは、Oracle Databaseではなく、ポリゴン型を有するPostgreSQLが使われているとのこと。また、社内システムの各所で採用されている、PostGISという空間データを扱うための非常に優れた拡張機能も無償で利用出来るとあって、PostgreSQLのコストメリットを最大限活かした環境構築が実現されているそうだ。
PostgreSQLを使うようになり、岸田さんはOSS-DB技術者認定試験にも挑戦した。2013年9月にはGoldまで取得したそうだ。
OSS-DB Goldを取得後のメリットは?と聞くと、岸田さんは「PostgreSQLで質問があると頼られるようになったことですね。学ぶきっかけになります」と話す。誰かの質問に答えるためにあらためて調べたり、確認することもある。結果的に自分のため、自分の勉強にもつながっているということだ。
PostgreSQLについての印象を岸田さんに聞くと、「やりたいと思うことは(Oracle Databaseではなくても)PostgreSQLでできてしまうことが増えましたね」とPostgreSQLには満足しているようだ。また「現状はPostgreSQL 8.4で利用しているのですが、業務効率を改善できそうな工程があるので、9から出てきたストリーミングレプリケーションも試してみたいですね。」と話している。今後岸田さんがPostgreSQLを使う機会はますます増えてきそうだ。
■■■ Profile ■■■
岸田和巳 KISHIDA,Kazumi
インクリメントP株式会社
技術開発部 第二技術部 第三技術グループ
「普段は日常に溶け込んだものとして使われつつ、いざという時には人々の助けに威力を発揮する存在、多くの人にそう思ってもらえる地図を作っていきたい」―そんな思いを共有した有能なエンジニアが社内に大勢いる中、OracleやPostgreSQLなどのデータベース関連業務に従事。
今後のシステム開発の行末を見据え、開発業務全般を一人で行えるよう、PHPなどのスクリプト言語を中心にプログラミングスキルを身につけようと現在画策中。
趣味は散歩、観劇、フルートなど。職場仲間とは、鎌倉を一緒に散歩したり、深夜ラジオをネタに盛り上がったりして、気分転換している。フルートはレッスンに通っていて、ろくに練習もせずに仕事で疲れているところをレッスン仲間が優しく癒してくれている。