賞金総額1億円越えのハッカソン
今回の目的は「最高のモバイルアプリケーションを作る」こと。もちろんセールスフォース・ドットコム主催なので、SalesforceのPaaS環境「Force.com」「Heroku」を使って開発する。カテゴリーは、Force.comだけ、Herokuだけ、Force.comとHerokuの組み合わせの3つ。カテゴリーごとに審査を行い順位を決め、1位から10位までに賞金が出る。1位は10万ドル、以下5万、3万5000、2万、1万5000と続き、6位から10位にも1万ドルがもらえるという大盤振る舞いだ。さらに、3分野のトップチームから1チームの大賞が選ばれ、追加で15万ドル、合計25万ドルが手に入る豪華なものだった。
賞金が高いこともあり、参加者も多かった。結果的には300を超えるチームが参戦、賞金がもらえるチームは1割に満たない。ハッカソンの期間は10月10日から12日の3日間。とはいえ、10日夕方から始まり3日目の昼にはコーディングは終了なので、コーディングに費やせた時間は1日半程度しかなかった。
アプリケーション開発に利用できるのは、この時間内に書かれたコードだけだ。ライブラリやAPIなどは利用できるが、大会前の9月までに公開されGoogleで検索しヒットするものという制限があった。なので、あらかじめ自分たちでコードを書きライブラリ化しておくような「ずる」はできない。ちなみに、作成したコードの管理にはGitHubが使われた。
このハッカソンには日本チームも参加した。位置情報活用などを得意とするセールスフォース・ドットコムのパートナー企業オークニーの開発者チームもその1つだ。オークニー シニアコンサルタントの石田雄大氏は、昨年もハッカソンの様子は見ており、「賞金金額の高さには正直驚き、刺激を受けていました」と語る。また、プリンシパルアーキテクトの宮脇恵麻氏は「昨年も日本から参加している人がいると聞き、自分たちも出てみたいと思っていました」と語る。
2014年9月17日、今年も大規模なハッカソンが開催されることをオークニーの面々は知った。今年は是非参加したい。そこで、経営サイドに要望を上げる。会社からも快く承認され、最初は2名程度で参戦しようと考えたがどうせなら本気モードでと腕に覚えのあるエンジニア5名での参加を決めた。ちなみに、渡航費などを除けば、ハッカソンへの参加費用はかからない。会場には食事と飲み物なども十分に用意されていた。