デスクトップ仮想化(VDI)の歴史
最近仮想化という言葉が、色々なエリアで使われていますが、ここではデスクトップ仮想化について説明したいと思います。デスクトップ仮想化は、VDI(Virtual Desktop Infrastructure)とも呼ばれています。
VMware社は2006年4月にVirtual Desktop Infrastructure Allianceを発表しました。これは、ハードウェアベンダ、ソフトウェアベンダ、サービスプロバイダ問わず、デスクトップ仮想化を推進する為に結成した技術的なアライアンスで、VMware他、Microsoft、Citrixなど、20社以上のハードウェアベンダやソフトウェアベンダ、サービスプロパイダから構成されています。
そして、この頃からデスクトップ仮想化(VDI)という言葉が使われ始めたようです。デスクトップ仮想化(VDI)は製品名ではなく、一般的なコンセプトとして使われるもので、ソフトウェアベンダそれぞれのVDIソリューションがあります。例えば、Sun VDI、VMware VDI、Citrix VDIなどがそれにあたります。
デスクトップ仮想化の市場
Credit Suisseによると、デスクトップ仮想化のソフトウェア市場は、2012年までには、2007年の約10倍の18億ドルの市場になるだろうと予想されています。また、サーバベースコンピューティング(プレゼンテーション仮想化)のソフトウェア市場は24億ドル、サーバ仮想化のソフトウェア市場は37億ドルの市場になると予想されていますが、伸び率がもっとも高いのがデスクトップ仮想化であると予想されています。
デスクトップ仮想化とは
仮想インフラストラクチャで動いている仮想マシン(Windows XP、Windows Vista、LinuxなどのクライアントOS)にクライアントデバイスから接続し、その仮想マシンのデスクトップを使うソリューションの事をデスクトップ仮想化と言います。これには大きく分けて2つのタイプがあります。
- 仮想マシンがデータセンターにあるタイプ
データセンターの仮想インフラストラクチャ(具体的にはVMware ESX, Microsoft Hyper-V, Citrix XenServerなどのサーバ仮想化製品で構築)で動いている仮想マシンにクライアントデバイス(シンクライアントや既存のパソコンなど)からリモート接続し、その仮想マシンのデスクトップを使うソリューション。
- 仮想マシンがクライアントデバイス上にあるタイプ
クライアントデバイスの仮想インフラストラクチャで動いている仮想マシンのデスクトップを使うというソリューション(具体的にはVMware Workstation、Microsoft Virtual PCなどで構成)。
ここでは、最近話題になっている前者、データセンターの仮想インフラストラクチャで動いている仮想マシンにリモート接続するソリューションを紹介します。