SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

最新イベントはこちら!

Data Tech 2024

2024年11月21日(木)オンライン開催

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

EnterpriseZine(エンタープライズジン)

EnterpriseZine編集部が最旬ITトピックの深層に迫る。ここでしか読めない、エンタープライズITの最新トピックをお届けします。

『EnterpriseZine Press』

2024年夏号(EnterpriseZine Press 2024 Summer)特集『ニューリーダーに訊く──2024年春、CxOに就任した2人が目指す姿とは』

DB Press

「人をダメにするソファ」の購買層は?―良品計画はPower BIをこう使う


 ビッグデータの活用基盤として、日本マイクロソフトのクラウドサービス「Microsoft Azure」と「Microsoft Power BI」を採用、4月1日よりデジタルマーケティング プラットフォームの強化に取り組んでいるという良品計画さん。その導入効果はいかに?―良品計画さんによる事例報告をお届けします。

 良品計画さんといえば、言わずと知れた無印良品。無印良品には現在、大きく分け4つの情報発信チャネルがあります。まずは、国内で約400店舗展開しているリアル店舗、そしてオンラインストアの「無印良品ネットストア」。そしてスマートフォン向けアプリ「MUJI passport」、そして公式Twitter。この4つのチャネルから日々集まる膨大な量のデータをどう活用していくのか? 

 「MUJI passportアプリを初めて、2年になります。データが2年分あるというわけです。そのほかに、SNSのIDなど、いろいろなミニIDがあります。こうしたところから出てくるデータを統合して見たい、コミュニケーションの効果を見たいというのが課題でした」と語るのは株式会社良品計画のweb事業部部長の奥谷孝司さん。

株式会社良品企画のweb事業部部長 奥谷孝司さん

株式会社良品計画 web事業部部長 奥谷孝司さん

 もともと、良品計画では「ネット・リアルの区別なく、無印良品のファンとコミュニケーションを図りたい」「「マーケティングの効果をより詳しく可視化したい」といったニーズがありました。そこで、「MUJI DIGITAL Marketing 3.0」と称するデジタルマーケティング施策を展開、スマートフォンアプリ「MUJI passport」を提供しはじめたのが2013年5月。

 MUJI passportは、2015年3月時点で、351万人が利用する、国内有数の専門店アプリとなりましたが、その一方で見えてきた課題もありました。

 たとえば、ソーシャルでのキャンペーン、メールマーケティング、外部コラボレーション、そしてアプリを通じて店舗への送客を促進すべく施策を講じてきたものの、どれもが局所的で、全店舗をサポートすることができなかったといいます。

 これら課題解決のために必要なのは、現場の従業員が活用できるような使い慣れたユーザーインタフェースであること。そして、現場での各部門が、それぞれ、必要なデータを活用するために、いろいろな切り口でデータを可視化できること―こうしたニーズに応えうるパートナーとして良品計画が選んだのが、だれもが使える分析ツールであるExcelを持ち、高品質かつ安価なクラウドサービスを持つ日本マイクロソフト。

 「商品ごと、店舗ごとと、異なる切り口でみることができるので、とてもみやすいです。また、年代ごとの購買層を分析することもできます。現在、30代が一番大きな購買層なのですが、アプリの導入によって、20代のファンが増えたことがわかります。こうしたマーケティング施策の可視化は各チャネルを統合していてこそわかることです」(奥谷)

 4月1日からの運用と、まだ日が浅いものの、それなりの効果が見えてきている様子です。

 「こんな分析ができます」と、奥谷さんが披露してくれたのが、特定の商品を購買した人のデータの分布。たとえば、大ヒットしている「人をダメにするソファ」こと、「体にフィットするソファ」の利用者範囲を見てみたところ、20代の男性が多いことがわかったそうです。

 「この商品はTwitterでとある方がどれだけ堕落するかを検証してくれたのが広まりました。その影響もあって、増税後にもかかわらず、20代男性が買い支えるという現象が起きました」(奥谷)

 もっとも、こうした分析は地味で、簡単にすばらしい仮説や知見が生まれるわけではありません。「社内からは、『そんなの知っている』というコメントばかり」(奥谷)だそうです。確かに、ビッグデータ分析と呼ばれるものの中には、「データを分析したところ、『風が吹けば桶屋が儲かる』という知見が得られた」というような、すでにわかっていることの裏付けである場合も多いです。

 加えて、これまでの無印良品のヒット商品を見れば、ビッグデータ分析以前から、従来からきめこまかな観察と分析によって商品開発が行われていたであろうことが察せられます。

 それが今後、Power BIによって、商品開発がどう進化するのか、しないのか、ビッグデータ分析の目に見える効果として判断がつくのはもう少し先かもしれません。

 「それでも「予測」を続けることで、精度の高いマーケティング施策を高速で回し、データを蓄積し、さらに予測精度の高い施策へつなげていきます」と奥谷さん。

 一方、「ビッグデータの民主化」を掲げてきた日本マイクロソフトでは、モバイルBIベンダーのDataZenを買収し、いよいよ「ビッグデータの裾野拡大へ向け、動き出しているようです。

 DBオンラインでも、Power BIの使い方講座の連載を始めようと企画が進行しつつあります。機械学習のMachine Learning、そしてAzure、Power BI…ビッグデータ民主化へ向けた日本マイクロソフトさんの旅はどこへ向かうのか、お届けしていく予定です。お楽しみに。

【関連記事】
良品計画が、マーケティングのビッグデータ活用基盤を日本マイクロソフトのクラウドサービスで構築

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
DB Press連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

小泉 真由子(編集部)(コイズミ マユコ)

情報セキュリティ専門誌編集を経て、2006年翔泳社に入社。エンタープライズITをテーマにイベント・ウェブコンテンツなどの企画制作を担当。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/6785 2015/07/13 12:42

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング