
Apache Cassandraのコミッターも務めている森下雄貴さんによるCassandra入門、はじまります!
Apache Cassandraとは
Apache Cassandra は、Apache ソフトウェア財団で開発されている分散データベースです。 元々はFacebookが自社のサービスの一部に利用する前提で、増え続ける大量のデータを複数のサーバー上に分散して格納するために開発したデータベースですが、現在はオープンソース化されApacheソフトウェア財団のトップレベルプロジェクトとして開発が進められています (Facebookのオリジナルバージョンは今でもGithub上で確認することができます)。
2009年にApache CassandraとしてApacheソフトウェア財団より最初のバージョン0.3がリリースされました。その後継続的に機能追加とバグフィックスが行われており、現在の最新安定バージョンは執筆時点(2015年6月時点)で2.1.7です。次期バージョンである2.2.0も開発が進められています。
大規模なWeb企業であるFacebookが利用するために開発されたCassandraですが、現在では金融やヘルスケア、センサーデータなど様々な分野に利用されています。 例えばオランダの世界的金融機関であるINGでは、Cassandraの高い可用性に注目し、障害が発生しても継続的にサービスが提供できる信頼性の高いネット決済システムを構築しました。 イギリスのエネルギー供給企業のBritish Gasは、各家庭に設置されたスマートデバイスから送られてくる大量のデータをリアルタイムに蓄積・分析できるシステムをApache SparkとCassandraを用いて開発しました。 Appleは75,000台以上のCassandraを利用して10PB以上のデータを格納しています。

そのような企業では、なぜ広く利用されているリレーショナルデータベースではなく、Cassandraを選んだのでしょうか。
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森下雄貴(モリシタユウキ)
DataStax社ソフトウェアデベロッパーおよびApache Cassandraコミッター。 仕事では毎日ほぼ100%、Cassandraのコードをいじっています。 Spotifyで音楽を聞きながらコードを書き、iPhoneでメールをチェックし、 オフはNetflixで映画を見たり、プレイステーショ...
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