NTT Comパートナー各社が語る基幹システム×クラウド活用の実践
グローバル時代のERP活用法――インフォアジャパン
インフォアジャパンはグローバルに活躍する大手エンタープライズアプリケーション企業。インフォアでは実行管理、ERP、BIを一体化することで業務の効率化を実現。実現の鍵となるのが業務部門の入力負荷を高めないこと。インフォアでは簡単かつ軽量な端末画面をタブレットなどで提供し、データを確実にリアルタイムで共有できるようにしている。
諸岡氏は「Infor SyteLine」というセルフビルド・DYI型ERPを紹介した。長い実績がありながらも、最新技術も旺盛に採り入れて変化を続けている製品だ。特徴的なのはマイクロソフト製品との統合が進んでおり、独自技術に依存しない仕組みになっている。またBI統合管理ソリューションも提供しており、経営層と現場のギャップを最小化している。
導入アプローチとクラウド構築事例――インフォシスリミテッド
インフォシスのグローバル本社はインドにある。世界35ヶ国以上にオフィスを持ち、従業員も開発センターも多数保有している。1996年から日本でのオペレーションを開始し、2016年には日本市場向け従業員は1300人以上。日本から世界にグローバルプロジェクトを展開する時には特に強みを発揮できる。
NTTコミュニケーションズとは共同提案という形で協業が進んでいる。キャリアクラウドはNTTコミュニケーションズ、アプリケーションではインフォシスという役割分担だ。インフォシスはアプリ領域でフレームワーク、方法論、アクセラレータという3本柱で実装を進めている。クラウド導入アプローチはインフォシスから評価支援、導入支援、運用支援という流れで提供される。
Cloud Services & Case Study [NOTES Migration]――FPTジャパン
FPTコーポレーションのグローバル本社はベトナムにある。コアビジネスはシステムインテグレーションやテレコミュニケーションのほか、大学を通じた人材開発にも力を入れているのが特徴だ。顧客の半数は日本なので、日本向けビジネスに強い。ベトナムの優秀な人材を多く獲得し、平均年齢が27歳で若く活力あふれる優秀な人材を多く保有している。
今回前野氏が紹介したのはNotesマイグレーション。アプローチとしてはワークショップとアセスメント(ライトとディテール)を経てマイグレーションを行う。メールの移行であれば評価、移行、完了(サポート)の3段階。Office 365をインターネット経由ではなくNTTコミュニケーションズのArcstar Universal Oneを用いて閉域アクセスするためセキュアな環境を保つことができる。
基幹業務システム奉行シリーズをクラウド環境で運用――オービックビジネスコンサルタント
オービックビジネスコンサルタント(OBC)は財務会計システム「勘定奉行」など、基幹業務ソリューションベンダー。近年ではマイナンバー制度や消費増税など、企業に必要なサービスをいち早く提供している。基幹業務システム奉行シリーズはオンプレミスとクラウドの両方に対応しており、ベースパッケージは継続したまま環境を移行できる。西氏は「クラウド環境のメリットは運用コスト低減で、デメリットを上回ります」と述べる。
中堅・中小企業の基幹系システムにおいては、特に会計や人事労務ではシステムの特性上クラウドでの運用でメリットが出やすいという。奉行シリーズをクラウド環境で運用する場合にはEnterprise Cloudやクラウド・エヌを用いるように協業体制が整えられている。