ポケモンといえば、かつて一世を風靡した、そして現在でも引き続き人気の携帯ゲーム機用のゲームソフトである。かくいう筆者も初代ポケモン世代で、小学生の時は携帯ゲーム機を持って、友人とよく「通信」をしたものだった。キュートなポケモンは子どもたちの人気の的で、筆者もピカチュウが大好きな妹と一緒に毎週欠かさずポケモンのアニメも見ていた。当時確認されていた(?)151匹のポケモンを、歌と一緒に全て言えるというのが当時の子どもたちのトレンドであった。
ポケモンが当時のゲームにおいて革新的だった点は、友達と「通信」をして、手持ちのポケモンを戦わせたり、交換したりすることができた点にあった。この「通信」には、今では信じられないことだが、専用のケーブルが必要であった。友人の家に遊びに行くときにケーブルを忘れてしまうと、あるいは特定の機種で必要なコネクタを忘れてしまうと、「通信」ができなかった。おおよそ20年以上前のことである。
時は過ぎ、2016年7月、ポケモンの名前がまた、世界中を駆け巡っている。「Pokemon Go」と呼ばれるスマートフォンアプリが世界各国で公開され、大人気であると伝えられている。すでに、全米のAndroidユーザーの5%以上がこのアプリをインストールしていると、ある記事では伝えている。東証一部市場における任天堂の株価はこの1週間のうちに1.5倍以上にもなった。ものすごい影響である。日本市場においても近日中に同アプリが公開されるという予測もあり、筆者同様に、今か今かと待ち遠しく思っている方も多いだろう。
ところが、そんな順風満帆と思われる「Pokemon Go」に問題が投げかけられている。iPhone及びiPadからGoogleアカウントを使ってPokemon Goにサインアップすると、ユーザーから明示的な同意を得ることなく、「フルアカウントアクセス」が付与されてしまうという問題があることが指摘された。
フルアカウントアクセスを付与されたアプリは、Googleアカウントのほぼすべての情報を表示、変更することができる。例えば、Gmail、GoogleカレンダーやGoogle Docsでユーザーが利用している内容を表示したり、変更したりすることができるということだ。アプリ開発元のNianticによると、この問題はアプリの設計上予定されていたものではなく、いわゆるバグであるということだ。Nianticはまた、このバグを修正するアップデートプログラムを24時間以内に公開することを告知している(2016年7月13日現在)。