プライバシーコミッショナー会議(ICDPPC)
プライバシーコミッショナーという言葉をご存じでしょうか。プライバシーコミッショナーとは、各国において、その国のプライバシーに関する問題を取扱う機関を指します。日本では、個人情報保護委員会がこのプライバシーコミッショナーに相当します。この世界のプライバシーコミッショナーが年に一度、一堂に会して議論を行う場所があります。それが、プライバシーコミッショナー会議(正式名称:International Conference of Data Protection and Privacy Commissioners、略称:ICDPPC)です。
9月25日から29日まで開催されたICDPPC2017に参加してきましたので、その様子を皆さんにお伝えします。今後の世界のプライバシー問題を考える上で、重要な道標になると思いますので、ぜひご覧ください。以下、筆者が選んだICDPPC2017注目トピックスです。
個人情報保護委員会が世界のプライバシーコミッショナーの仲間入り
なんといっても、今回のICDPPC2017で一番の注目は、日本の個人情報保護委員会がプライバシーコミッショナー会議の正式メンバーに加わったことです。
個人情報保護委員会は、平成26年からプライバシーコミッショナー会議にオブザーバーとして参加していました。当時はマイナンバーを所管する「特定個人情報保護委員会」としての参加でした。その後、個人情報保護法の改正に伴って、「特定」がとれて現在の個人情報保護委員会になりました。
さらに、今年の5月30日に改正個人情報保護法が全面施行され、個人保護委員会は個人情報について監督を一元的に行う独立機関になりました。このことを受けて、日本のデータ保護機関として認められ、会議の正式メンバーに承認されました。
プライバシーコミッショナーの仲間入りの意味とは?
では、個人情報保護委員会がプライバシーコミッショナーの仲間入りを果たした意味はどこにあるのでしょうか。
まず、個人情報保護委員会がプライバシーコミッショナーとしての要件を満たしてということです。次に、個人情報保護委員会が世界のプライバシーコミッショナーの仲間入りを果たしたことで、データ保護の世界におけるプレゼンスが高まるということ挙げられます。
我が国にとっては、世界的なデータ保護の体制において、明確なフォーカルポイントを得たという非常に重要な意味を持っています。今後は、個人情報保護委員会を中心としてデータ保護の仕組みが高められていくことが期待されるところです。