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Ruby on Railsとエンタープライズの現在

Ruby on Railsの普及活動と今後の展開

最終回

前回までは、松江市の高額合算システム開発プロジェクトを通して得られた経験を基に、エンタープライズ領域におけるRuby on Railsの利用について解説してきた。最終回となる今回は、現在進行中のRuby、Rails普及のための取り組みや、今後の展開などを紹介する。

人材育成について

 人材育成という面でも、Rubyは将来に向けた取り組みが進んでいる。ここでは、島根県や松江市の取り組みを中心に紹介する。

大学教育の場への浸透

 最近では、開発言語教育を一般教養の中に組み込む大学が出てきている。島根大学では、2008年よりRubyの言語教育のコースを開講した。コースは理工学部の専門科目ではなく、全学共通の講座としている。また、2008年9月に松江市で開催されたオープンソースカンファレンス(OSC)では、京都の女子大におけるプログラミング教育の事例が発表された。人文系学部の教養科目にプログラミング概論があり、言語教育を行なっているという。

 講座を担当した教員によれば、「JavaやPerlなどのオブジェクト指向言語を教えてみたが、Rubyが一番理解してもらえた。例えば、画面に文字を表示するためには、コードを2行書けばよい。まさにオブジェクトにメッセージ(指示)を送るとその通りに振る舞うという基本原理を短時間で理解してもらうことができる」と、そのメリットを述べている。

 簡単なシステムなら、誰もがRubyを使って自分で作ってしまう時代が来るのかもしれない。教育の現場から確実にRubyが広まって行くと思う。

一般向け講座も開講

 前述の島根大学は、Rubyを中心として情報と地域振興をテーマに掲げた公開講座を2007年度より開講している。まつもとゆきひろ氏が講義を行なうこともあるし、地域の行政や産業界の方、あるいは中国・韓国の大学の先生が自国のオープンソースの取り組みを講演することもある。その他、米国からJRubyのチャールズ・ナッター氏が講演したこともある。若い多感な学生に取って、オープンソースをこれだけ多くの方面から勉強できる環境はなかなかないだろう。

 また、島根県では2007年秋からソフト系IT産業の育成を目的として、「Rubyエンジニア育成コース」を設けた。2~3日間の講座を5コース開講しており、費用は地場企業向けに半額を補助している。どのコースも定員20名に対して、ほぼ満員の状態となっている。今年の夏には、大学・高専の学生向け「Ruby合宿」も主催した。こちらは、5日間でRubyの基礎からRails・Webサイト構築までを行なうカリキュラムだ。

 島根県や松江市はRubyに対する情熱があり、業務システムをRubyでやろうという機運が高まっている。松江市の行政システムは、既に何度かRuby指定で調達が行なわれており、他の地域より2~3年先行していると思う。また、これらの取り組みと企業誘致により、ソフト系IT技術者を1000名から1500名に増やそうとしている。期待通りに、Rubyを中核にした産業クラスタが形成できるか今後が楽しみである。

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この記事の著者

吉岡 宏(ヨシオカ ヒロシ)

(株)マツケイ 代表取締役社長
 1953年1月生まれ。1976年(昭和51年)からソフトウエア業界に身を置く。その間、メインフレームのOS・ミドルウエアの開発から始まり、フィールドでのSIやパッケージ開発・適用を第一線で指揮して来た。 現在、島根県情報産業協会:副会長、NPO法人ITCしまね:理事長、(...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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