クラウドではオンプレミス以上のセキュリティの高さが求められる
社会をも変えたクラウド。ロメッティ氏によれば、IBMのクラウドはITで昔からやっていたことの新しい「やり方」を提供するものではない。全く新しいものであり、クラウドでビジネスの意思決定に関わるところに価値を見出すものだという。
「すでにクラウドのビジネスは、IBMのビジネスの17%を占めるまでに成長しています。IBMのクラウドは、エンタープライズの要求に耐えうるものであり、データ中心となっている。ここが他のクラウドとは大きく異なるところで、エンタープライズ向けのクラウドでは、オンプレミスよりもむしろ高いレベルのセキュリティが必要となります」(ロメッティ氏)
IBMでは、そんなクラウドのために世界中の50カ所、19カ国にデータセンターを設置している。これに加え、20カ国目として中国が加わる。ロメッティ氏は51カ所目のデータセンターを中国で開設することをステージ上で明らかにした。
もう1つIBMのクラウドが他とは異なる点として挙げたのが、オンプレミスも選べる真のハイブリッドクラウドの構成をとれることだ。企業はクラウドが登場する前からITに多くの投資を行っている。その投資を最大限に活用するには、オンプレミスも選べるようにする必要がある。IBMはパブリック、プライベート、オンプレミスを活用できる、真のハイブリッドなクラウド環境を提供する。
そしてパブリッククラウドとプライベートクラウドを単純につなぐだけでなく、アプリケーションのレベルでもデータのレベルでも連携できる仕組みでなければならない。そしてその環境は、上から下までセキュリティを確保する必要がある。ロメッティ氏は「IBMはチップレベルでセキュリティを確保する仕組みを提供しています」と、IBMのクラウド環境の高いセキュリティを強調した。