
クラウドで人財管理および財務のアプリケーションを提供するWorkday、同社の年次カンファレンスイベント「Workday Rising 2017」が、米国シカゴで開催した。SaaS型の人財管理のソリューションを中核に、会計のアプリケーションも併せて提供することで、企業経営におけるプロセスの多くの部分をカバーできる。そのソリューションをクラウドネイティブのサービスとして提供することで、グローバルにビジネス展開する大企業でWorkdayのソリューションを採用する動きは増えている。特に米国、ヨーロッパ地域では大企業に数多く採用されている実績がある。
SaaSの顧客満足度は98%以上
今回のイベントへの参加登録者数は、8,500名を超える。この後すぐにヨーロッパで同様のイベントが開催されるため、ヨーロッパ地域からの参加者がほとんどない中でこれだけの参加者を集めているのだ。Workdayのビジネスは、創業以来順調に成長している。2017年8月末に発表された2018年度第2四半期の結果を見ても、総収入が2017年度第2四半期から40.6%増の5億2,530万ドル、サブスクリプション収入も前年同期比の42.0%増の4億3,450万ドルとなっている。Workdayの創業者で会長のデビッド・ダッフィールド氏は、基調講演のステージでダウ平均株価が46%成長のところでWorkdayを使っている顧客の株価は74%も成長(独自の指標)していることを示し、同社のビジネスがかなり順調なことをアピールした。

ダフィールド氏は、もともとPeopleSoftの創業者だった。Oracleにより同社が敵対的買収された後に、Workdayの共同創設者兼CEOのアニール・ブースリ氏と共にWorkdayを2005年に設立している。Workdayは、最初からクラウドネイティブなサービスとして提供された。Workdayの唯一のプラットフォーム上に、全ての機能が実装されている。利用しているデータベースも商用のリレーショナルデータベースなどではなく、独自のデータベースを採用している。
1つのプラットフォームでアプリケーションを提供することを同社では「The Power of One.」と呼ぶ。買収製品を寄せ集めたSuite製品などではなく「全ての顧客が1つの同じバージョンを使います。Workdayのシステムは、世の中に1つしかありません」とダッフィールド氏。この1つのシステムを利用することには、ばらばらな製品を顧客ごとに利用するオンプレミスのアプリケーションやSaaSとは違い、圧倒的なメリットがあると主張する。
そしてブースリ氏は「Workdayのアプリケーションは、顧客と一緒に作るものです」とも言う。Workdayでは、顧客が欲しい機能を提案してもらい、それに対し顧客で構成されているコミュニティによる投票が行われる。投票結果で実装する機能の優先順位が決まり、新たに実装される機能についてはその機能を提案した顧客企業などがデザインパートナーとなりWorkdayの開発部隊とロードマップを共有しながら一緒に開発に参加する。
そうやって進化をしているWorkdayのサービスを利用する顧客の満足度は、実に98%を達成しているとのこと。

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谷川 耕一(タニカワ コウイチ)
EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...
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