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■第三回 これからは“運用管理エンジニア”が注目の存在に? クラウドによって変わる開発スタイルとキャリア

  2013/06/21 07:00

クラウド・コンピューティングへの流れはとどまるところを知りません。いまや、新たな情報システムを導入する際、自社で新規に開発するよりも、クラウドで提供されているサービスがないのかを調べることから始まります。このクラウドによって、IT業界のキャリアパスはどう変わるのでしょうか。

利用拡大が進む「クラウド型サービス」

 総務省によれば、クラウドサービスの市場は、右肩上がりに成長を続け、2015年時点で2兆円を超えて大きく拡大していくことが予想されています。企業の利用意向の調査においても、すでにクラウドサービスを利用している企業と今後利用したい企業を合わせると過半数を占めるまでになっており、今後のサービス充実による利用拡大が期待できます。

 IT業界全体の市場規模は約20兆円ですから、クラウドサービスの市場が、その約1割を占めるまでに成長することを意味しています。当然ながら、IT業界においても、市場の変化に合わせて、人材育成やキャリアパスの確立が必要になってきているのです。

クラウドによって変わるシステム提供のライフサイクル

 これまで顧客のニーズに合わせて手作りで開発してきたシステムスタイルが、クラウドによって変わろうとしています。これは、ライフサイクルで捉えると分かりやすくなります。

 これまでのシステム構築は、顧客要件に合わせて、システムを設計し実装する、いわゆる一品一様のスタイルでした。したがって、下図にあるように、フェーズが進んで顧客が必要とする機能を詳細化するにつれ、たくさんのエンジニアが必要となります。開発が終わって顧客に引き渡せば、運用保守に移りますが、開発フェーズほど人手をかけれず、できるだけ最小限の人数でシステムの改造や拡張に対応していくことが求められます。

 一方、クラウドではこのライフサイクルが異なります。システムを「作る」から「組み合わせる」に変えるのがクラウドですから、一品一様で顧客別に提供することはしません。要件定義におけるサービスへのフィッティングと追加機能の開発、運用フェーズが大きなウエイトを占めることになります。

 また、サービスの魅力を高め新たな顧客を集めるためには、すでに運用しているクラウド基盤をベースに、SaaS型のアプリケーションを随時追加・改善していく取り組みも欠かせません。つまり、スパイラルアップにより、クラウド型サービスの基盤が、次第に強化されていくことになります。自ずから、それらフェーズに携わるエンジニアの重要性が増すことになります。

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著者プロフィール

  • 克元 亮(カツモト リョウ)

    IT業界で約20年にわたり、システム開発やITソリューションの適用支援、アーキテクチャデザインなどに携わる。現在は、プロジェクトマネジメント、マーケティングに従事。 著書には、『「しきる」技術 誰にでもできる超実践リーダーシップ』『この1冊ですべてわかる ITコンサルティングの基本』(日本実業出版...

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