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週報コラム:セキュリティ オンライン 加山恵美

まだサーバーを飛び立っていないメールなら追いつける


 先月下旬からGmailで送信後30秒以内なら送信を取り消すという機能が正式版となりました。送信ボタンを押した途端に気づくミスってありますよね。「あっ、しまった!」。

Gmail、送信30秒以内なら「送信取り消し」ができるように! 

 今年のGoogle I/Oにて、Googleは「Gmailのユーザー数が9億人を超えた」と発表しました。1つのドメイン「@gmail.com」で9億人を抱えているというのですから、それを支えるメールシステムはすごいなと思います。

 Gmailではアクティブユーザーの75%がモバイルからの利用だとか。Androidスマートフォンでは基本的にGmailアカウント必須ですものね。ユーザー数が増えるわけです。

 最近知人が購入したAndroid端末の設定を手伝いました。Gmailアカウントの新規作成を行おうとしたら「すでに使われています」が何度も出てきてしまい、アカウント名がなかなか決まりませんでした。それもそのはず。ローカルパートに重複は許されませんから、登録済みの9億通りの文字列を避けなくてはなりません。今は覚えやすいようなシンプルな文字列でメールアドレスを作成するのはかなり難しいのではないでしょうか。  

 それはさておき、先月末からGmailにて送信30秒以内なら送信取り消しができる機能が正式版になったとアナウンスがありました。Gmailの設定で「送信取り消し」という機能を有効にすると、5~30秒の範囲で送信後に送信を取り消すことができます。

Gmail設定で「送信取り消し」を設定できる

 使ってみると、これは意外とシンプルな仕組みのような気がします。送信ボタンを押してから設定している時間内は送信保留にしているのではないでしょうか。海外では生放送で放送事故を防ぐために数秒遅れにしてチェックしてから放送していると聞いたことがあります。それに近いような気がしました。  

 実際にGmailでブラウザ(画面ではFirefox)からメールを送信すると画面上に「取消」というリンクが表示され、クリックすれば送信が取り消されます。再度メッセージの編集画面が出たり、メッセージがドラフトとなります。設定時間を過ぎると「取消」のリンクが消えてしまい、取消ができなくなります。

送信直後は「取消」をクリックすれば送信を取り消すことができる

 ちなみにメールの送信取消という機能は、むかーし、昔にもありました。ニフティで見た記憶があります。まだパソコン通信の時代です。ニフティ内でメールを送信し、相手が開封する前なら送信したメールを取り消すことができました。  

 なぜ可能だったかと考えると、送信元も送信先も同じホスト内だからできたのですよね。「メール」とはいえ、パソコン通信時代のメールは今日常で使うメールとは若干違います。ドメインのないメールアドレスでした。インターネットを渡り歩くメールではなかったのです。当時を知らないと、感覚がつかめないかもしれませんね。  

 例えばGmailしかメールアドレスがないような閉じた世界です。メールは同じホスト内で完結していたため、送信後でもデータを消すことが可能だったのです。かつては今ほど頻繁にメールをチェックしていませんでしたから、意外と取消が可能でした。  

 こんな世界とは異なり、今のメールはサーバーからサーバーを”バケツリレー”のように渡り歩き、最終的には受信者のメールサーバーにたどり着きます。だから送信したら基本的には「取り消す」ということができない仕組みなのです。  

 Gmailの送信取消では送信直後の一定期間だけ可能です。その時間を過ぎてしまったらもう取消はできません。インターネットを飛ぶメールですから。  

 メールですと一般的な利用の範囲なら「インシデント」と呼ぶほどの事故は起こりません。ぼんやりしていて宛先の予想変換で違う相手を選んでしまったとか。攻撃を受けたなら話は別ですよ。何かしでかけしたとしてもせいぜい「ミス」です。  

 基本的なことですが、送信時に一呼吸して確認してから送信することを習慣づけるのが大事です。今はメールの送受信に使うのはブラウザやスマートフォンが一般的ですが、専用ソフトとなるメーラーの中には送信前に宛先と添付ファイルの確認画面を出す機能を持つものもあります。この機能か、あるいは人間が送信前に宛先を指さし確認する習慣をつけるだけでも宛先事故はかなり減らせるのではないでしょうか。  

次のページ
「パスワードは別便で」という運用ルールに効果はあるのか?

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この記事の著者

加山 恵美(カヤマ エミ)

EnterpriseZine/Security Online キュレーターフリーランスライター。茨城大学理学部卒。金融機関のシステム子会社でシステムエンジニアを経験した後にIT系のライターとして独立。エンジニア視点で記事を提供していきたい。EnterpriseZine/DB Online の取材・記事も担当しています。Webサイト:https://emiekayama.net

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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