このソリューションは、k-匿名化技術を用いて、パーソナルデータを利用目的に合わせ、個人が特定できないように加工(匿名加工)し、有用性が高い情報を作成する。これにより、パーソナルデータを保有する企業・団体などが、他の企業・団体などの第三者に対して匿名加工によりプライバシー保護されたパーソナルデータ(匿名加工情報)を提供することが可能になる。第三者は分析に必要なビッグデータの1つとしてマーケティング活動などに利活用することができるという。
さらに、このソリューションは匿名加工情報において、個人が識別されるリスクを可視化できるため、より安全なパーソナルデータの利用できるという。
「NEC データ匿名化ソリューション」の特徴
1. データ利活用の目的にあわせた匿名化が可能
・項目ごとに匿名加工のレベルを設定
データ利活用の目的にあわせて、年齢や住所などの項目ごとに匿名加工のレベルを設定することができる。例えば、年齢の項目において10代の占める割合が多い場合は「10~14歳」「15~19歳」「20代」「30代」「40歳以上」のように、年齢の幅(レベル)を柔軟に設定し、部分的に細分化することができる。
・パーソナルデータの傾向が変化しない匿名化手法を採用
「項目削除・レコード削除・セル削除」「一般化」「トップ(ボトム)コーディング」の3つの匿名加工の手法を採用。ノイズ(誤差)付与やデータ交換などの手法を使用しないため、データの傾向を変化させずに匿名加工を行うことが可能。
2. 異なる属性データをまとめて匿名化が可能
住所や年齢のように一個人に1つの値である「単一値属性」と、病名や投薬名のように一個人に複数の値が含まれる「集合値属性」のデータをまとめて匿名化することができる。これにより、有用性の高い匿名加工情報を得ることが可能。
3. プライバシーリスクの可視化
匿名加工情報の個人が識別されるリスクを表示できる。これにより、リスクに基づいて、匿名加工のレベルを選択することで、プライバシーリスクの低減を支援。
匿名加工情報を提供された第三者の活用例
- 通信キャリアが保有している位置情報と滞留点を分析し、新規出店の計画や看板の効果的な設置に活用
- 小売り業者が保有している販売情報を分析し、顧客属性ごとに販売実績が多い種類や色を把握し、商品開発やマーケティングに活用