現時点の支出の中心はモビリティで、徐々にクラウドの利用も拡大
国内第3のプラットフォーム市場におけるSMBのIT支出額は、2017年に2兆9,869億円で前年比成長率5.3%を見込み、2016年~2021年の年間平均成長率(CAGR: Compound Annual Growth Rate)は6.2%を予測している。SMBにおいても、第3のプラットプラットフォーム市場のIT支出額が大きく拡大し、今後の国内SMB IT市場全体を牽引するとみている。
現時点の支出の中心はモビリティで、徐々にクラウドの利用も拡大している。また、データアナリティクスでは、まだ一部に留まっているものの、導入を検討するSMBは大都市圏を中心に徐々に拡大している。売上拡大といった成長戦略の観点からソリューション活用を模索する企業も増えているほか、人材不足ならびに「働き方改革」が、SMBにおいても喫緊の課題となっていることから、第3のプラットフォーム活用が促進されることが見込まれる。
戦略的にIT活用を模索する企業では第3のプラットフォームの採用が進む
国内SMBユーザー調査において、SMBにおける第3のプラットフォームの利用検討状況を見たところ、モビリティの導入は進んでいるものの、クラウド、データアナリティクスの導入率は10~20%台に留まっている。ただし、ITを活用して効果を期待する経営課題のうち「売上拡大」または「業務プロセス変革」を挙げたSMBでは、第3のプラットフォームを積極的に導入する傾向があった。このように、企業変革を目的にした戦略的なIT活用を模索する企業では、第3のプラットフォームを中心としたIT活用が見込まれる。
このように、SMBでも業務変革を目的にした戦略的なIT活用を模索する企業を中心に、第3のプラットフォームの積極的な採用が進むとみているが、現状SMBにおいて各ソリューションを導入するに際して課題も多いとみている。
IDC Japan ITスペンディング リサーチマネージャーの市村仁氏は「ITサプライヤーは、国内SMB IT市場において、第3のプラットフォームのソリューションの利用を促進するためには、企業変革に向けてのロードマップをユーザー企業に提示することが求められる」と分析している。
今回の発表は、IDCが発行したレポート「2017年 国内SMB IT市場 第3のプラットフォーム活用による企業革新の取り組み」にその詳細が報告されている。レポートでは、2017年2月に実施した国内SMBユーザー調査結果、主要ベンダー、SIerなどへのヒヤリング調査結果から、国内第3のプラットフォーム市場のSMB分野のIT支出規模予測を提供しているほか、第3のプラットフォームならびにイノベーションアクセラレーターの導入/検討状況について分析するともに、SMBの企業変革を目的にした「第3のプラットフォーム」活用の展望と課題について分析している。