国内Web改ざん検知/変更管理市場の2016年度の売上金額は14.4億円、前年度比17.1%増となった。近年、Webサーバ(Apache)の脆弱性をついたWeb改ざん事件が増加傾向にあり、それに伴う被害も深刻化しつつある。
企業においては標的型攻撃対策の1つとして、ITシステムへの変更管理および可視化を行い、改ざんされたシステムやWebサイトを早期復旧するとともに、被害状況の正確な把握、改ざんの原因究明を目的とした、Web改ざん検知/変更管理製品へのニーズが高まっている。このような背景から、今後も市場の拡大が予想され、同市場のCAGR(2016~2021年度)は13.1%の高い伸びを予想している。
ITRのシニア・アナリストである大杉豊氏は、「昨今の高度なサイバー攻撃に対しては、アタックサーフェス(攻撃されるポイント)をできる限り削減する脆弱性管理などの対策と、攻撃されることを前提としたダメージコントロールとレジリエンス力(回復力)対策が求められています。2020年の東京五輪に向けた企業価値向上および企業防衛の一環として、国内企業のコーポレートサイトや金融などの商用Webサイトにおいて、あらゆる地域からの多様な攻撃に対処するためにWeb改ざん検知/変更管理製品の需要がより一層増すと予測しています」とコメントしている。
今回の発表は、ITRが発行する市場調査レポート「ITR Market View:サイバー・セキュリティ対策市場2017」に詳細を掲載している。レポートには、ファイアウォール/UTM、WAF、DDoS対策、ネットワーク/プラットフォーム脆弱性管理など全10分野を対象に、国内45ベンダーへの調査に基づいた2015~2016年度売上げ実績および2021年度までの売上げ予測を掲載している。