自宅残業を行っている37.8%の回答者は、自宅のPCを利用している
発表によると、会社役員を含む従業員の54.2%は月に数回以上自宅残業を行っており、その内37.8%の回答者は自宅のPCを利用し仕事を行っていることがわかった。自宅のPCを使い仕事を行っている回答者の、会社のPCを持ち帰らない最大の理由は「PCの持出しが禁止されている」ことであり、「スタッフ」「営業・マーケティング」部門では、特にこの回答率が高いことがわかった。
PC持出し制限を行っている企業では、社外持出しPCを用意する、または手続きを行うことによって、会社で利用しているPCを自宅などに持ち帰りができるが、「PC持出しの手続きが煩雑である」の回答率は低い結果となった。一方、「PCが重い」が会社のPCを持ち帰らない第2の理由だった。軽量で持ち運びやすいPCを企業で導入することによって、自宅残業などでもセキュリティリスクの高い個人のPCではなく、従業員が会社のPCを利用する機会が増加することが期待される。
Windows 10の導入が進み始めたことでデータの暗号化がしやすい環境に
今後持出しができるPCの増減について、30.2%の企業は増加させることを考えており、特に大企業では38.1%の企業で持出しができるポータブルPCを導入する計画があることがわかった。この増加の最も高い理由は、「働き方改革によって自宅でPCを使い業務を進めることが必要となった」ことであった。
働き方改革を進める一環でPCを会社と自宅で利用する用途で、今後ポータブルPCを導入する企業が増加することが期待される。また「暗号化ソフトが安価となった」「OS標準で暗号化できる」など、企業でWindows 10の導入が進み始めたことでデータの暗号化がしやすい環境となったことが、持出しができるPCが増加する背景にある。
IDC Japan PC,携帯端末&クライアントソリューション シニアマーケットアナリストの浅野浩寿氏は「PC重量が原因で、自宅残業を自宅のPCで行うことは、セキュリティ上問題が大きい。また今後「働き方改革」の推進に伴い、社外で利用されるPCは益々増加することが予測される。このことから、ITサプライヤーはセキュリティをより強化した「軽量/薄型」PCの出荷比率をより高めることが必要となる」と述べている。
今回の発表は、IDCが発行する「2017年 国内エンタープライズモビリティ市場 ユーザー動向調査:従業員が求めるモバイルデバイスとは」にその詳細が報告されている。