2017年のNVOソフトウェア市場ではヴイエムウェアが70%以上のシェアを獲得
この調査では、SDN市場の主要構成要素であるSDNコントローラー市場を、ソフトウェアライセンスとして提供されるNVO(Network Virtualization Overlay)ソフトウェアとSDNコントローラーアプライアンスに分けて分析している。
2017年の国内NVOソフトウェア市場においては、ヴイエムウェアが70%以上のシェアを獲得し、一人勝ちと言える状況にある。ヴイエムウェアがSDN市場の初期参入ベンダーの中で最も成功したベンダーとして勝ち残ったのには、「強固なサーバー仮想化の顧客基盤」「データセンター自動化の過程への適切な位置付け」「マイクロセグメンテーションという武器」という3つの戦略的理由があるとIDCでは分析している。
SDNコントローラーアプライアンス市場はシスコシステムズとNECがシェアを分け合う
国内SDNコントローラーアプライアンス市場は、シスコシステムズとNECが2大ベンダーとして市場を牽引し、シェアを2社で分け合う状況にある。シスコシステムズは、データセンターSDNのCisco ACIが2017年の成長を牽引した。データセンターネットワークにおける強固なインストールベースを、SDNソリューションの展開にもうまく活用していると言える。データセンター向けイーサネットスイッチに対する高いロイヤルティと、ACIの持つポリシーの一貫性やデプロイメントの容易さが評価されているとIDCではみている。
NECは、最初にSDN製品を市場に投入したベンダーの1つで、国内SDN市場、特に企業ネットワークSDN市場を孤軍奮闘しながら牽引してきたベンダーだ。同社のSDNソリューションは、企業ネットワークを中心に、マルチテナントネットワーク仮想化やセキュリティ防御を得意領域としている。2017年は、「自治体ネットワーク強靭化」に伴う需要増加に加えて、製造業の次世代工場ネットワークソリューションなど新たな領域への展開を進め着実に実績を上げてきている。
DX時代のネットワークソリューションを早急に再構築すべき
成長を続けるSDN市場だが、市場はSDNを超えて、デジタルトランスフォーメーション(DX)時代の柔軟性や迅速性を実現する次世代ネットワークを求め始めている。
そのような市場の変化において、SDNベンダーは、「SDNコントローラー中心のネットワークソリューションポートフォリオは、時代遅れになっていると認識すべきである。DX時代に求められる「次世代ネットワーク」という旗印の下で、現在のSDN技術に加えて、クラウド管理型ネットワークやAI(Artificial Intelligence)を活用したネットワークソリューションを早急に再構築すべきである」とIDC Japanコミュニケーションズ グループマネージャーである草野賢一氏は述べている。
今回の発表は、IDCが発行した「国内ネットワーク仮想化市場シェア、2017年:国内SDN市場をリードする3強」にその詳細が報告されている。