2017年の国内市場規模は前年比成長率22.9%、522億円
2017年の国内コンバージドシステム市場の前年比成長率は22.9%となった。同市場は、インテグレーテッドインフラストラクチャ、インテグレーテッドプラットフォーム、およびハイパーコンバージドシステムの3つのセグメントで構成されている。
2017年は、ハイパーコンバージドシステムが前年比89.8%増と非常に高い成長を継続し、市場の成長を牽引した。2017年のハイパーコンバージドシステムの支出額は157億9,900万円となり、国内コンバージドシステム市場における構成比は30.3%となった。
IDCでは、2022年の国内コンバージドシステム市場の支出額を792億6,500万円、2017年~2022年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)を8.7%と予測している。IDCでは、今後もハイパーコンバージドシステムが市場の成長を牽引すると見込んでおり、ハイパーコンバージドシステムの2017年~2022年のCAGRを20.6%、2022年の支出額を402億3,900万円と予測している。その結果、2022年の国内コンバージドシステム市場におけるハイパーコンバージドシステムの構成比は50.8%に上昇する見込みだ。
ハイパーコンバージドシステムが市場の成長を牽引することが鮮明に
IDC Japan エンタープライズインフラストラクチャ シニアマーケットアナリストである宝出幸久氏は、「ハイパーコンバージドシステムが今後の国内コンバージドシステム市場の成長を牽引することが鮮明となった。国内市場において、ハイパーコンバージドシステムが備える導入の迅速性や運用管理の容易性、そしてスモールスタートや柔軟な拡張性といったメリットへの理解が進んでいる。今後も仮想化環境の課題を解決するインフラストラクチャとして国内市場への浸透が進む見込みである。中長期的にはDX(デジタルトランスフォーメーション)に求められる拡張性や柔軟性の高いITインフラを実現するソリューションとしても普及が拡大すると予測する」と分析している。
今回の発表は、IDCが発行したレポート「国内コンバージドシステム市場予測、2018年~2022年」にその詳細が報告されている。レポートでは、国内コンバージドシステム市場およびそれを構成するセグメントである、インテグレーテッドインフラストラクチャ、インテグレーテッドプラットフォーム、およびハイパーコンバージドシステムの2018年~2022年の市場規模予測を提供している。
■コンバージドシステムの定義
・インテグレーテッドインフラストラクチャ:サーバー、エンタープライズストレージシステム、ネットワーク機器およびシステム管理ソフトウェアの組み合せをベンダーが認定した上で統合したシステムパッケージ。
・インテグレーテッドプラットフォーム:サーバー、エンタープライズストレージシステム、ネットワーク機器およびシステム管理ソフトウェアに加え、データベースをはじめとするミドルウェアなどのソフトウェアパッケージも事前に統合し最適化したシステム。
・ハイパーコンバージドシステム:単一のサーバーベースのハードウェア上に、コンピュートおよびストレージの機能を高度に仮想化して提供するソリューション。