x86サーバーの売上額は2四半期連続で前年同期比2桁成長、国内サーバー市場を牽引
2018年第3四半期の国内サーバー市場は、2四半期連続で、売上額が前年同期比で2桁のプラス成長となった。製品別では、x86サーバーとその他のサーバーが、前年同期比2桁のプラス成長となった。x86サーバーは、2四半期連続、その他のサーバーは4四半期連続で前年同期比2桁のプラス成長となった。一方、メインフレームは、4四半期連続で前年同期比2桁のマイナス成長であった。
x86サーバーは、売上額が前年同期比26.8%増の1,171億円。ネット企業、通信、官公庁向けの大口案件やクラウドサービスベンダー向けの大口案件、官公庁、文教におけるテクニカル・コンピューティング用途の大口案件などが貢献し、2桁のプラス成長となった。
出荷台数は、前年同期比8.9%増の14万4,250台。その他のサーバーは、売上額が前年同期比17.5%増の112億円だった。通信向けビジネスサーバーの大型案件や、金融、製造向けRISCサーバー/IA64サーバーの大型案件などが貢献し、2桁のプラス成長となった。出荷台数は、1.9%減の1,220台。メインフレームは、売上額が前年同期比48.5%減の95億円で、前年同期にあった金融、製造向けの大型案件の反動で、2桁のマイナス成長となった。
IDC Japan エンタープライズインフラストラクチャ リサーチマネージャーの下河邊雅行氏は、「2018年第2四半期に引き続き、x86サーバーが国内サーバー市場を牽引した。クラウドサービスベンダー向けに加えて、ネット企業、通信、官公庁向けなど、クラウドサービスベンダー以外への出荷も増加し、国内サーバー市場全体の売上額の2四半期連続、前年同期比2桁プラス成長に貢献した。また、前四半期同様、x86サーバーの平均単価が前年同期比で上昇したことも、国内サーバー市場成長の要因になっている。x86サーバーの平均単価上昇は、搭載するプロセッサーのコア数上昇、これに伴うメモリや内蔵ストレージの容量増加が背景にある」と述べている。
ベンダー別売上額は富士通が1位、NEC、日本ヒューレット・パッカードの順
カンパニー別売上額では、富士通が首位を維持。メインフレームは、前年同期比で2桁のマイナス成長だったが、x86サーバーは、文教向けテクニカル・コンピューティングの大口案件、通信、官公庁向けの大口案件などがあり、2桁のプラス成長、その他のサーバーは、横ばいだった。
2位は、NEC。その他のサーバーは、官公庁向けの大型案件などで、3桁のプラス成長であった。メインフレームは、2桁のマイナス成長、x86サーバーも、マイナス成長だった。
3位は、日本ヒューレット・パッカード(HPE)。その他のサーバーは、2桁のマイナス成長だったが、x86サーバーは、通信やサービス業向けの大口案件などがありプラス成長だった。
4位は、デル(Dell Inc.)。ネット企業や通信向けの大口案件などがあり、2桁のプラス成長となった。5位は前四半期より順位を1つ上げた日立。メインフレームは、金融向けの大型案件があり3桁のプラス成長、その他のサーバーは、2桁のプラス成長、x86サーバーもプラス成長だった。なお、ODM Directの売上額は前年同期比、23.6%のプラス成長となり、3位のHPEに次ぐ規模であった。
出荷台数は、富士通が首位を維持、HPEが順位を1つ上げ2位となった。3位以下は、NEC、デル、Huaweiの順だった。なお、ODM Directの出荷台数は前年同期比、6.9%のプラス成長となり、3位のNECに次ぐ規模だった。