ユーザー企業にとってフロントエンドとバックエンドアプリ連携のプラットフォームに
IDCでは、2018年にデジタルコマースアプリケーション市場をソフトウェア市場の一環として新たに定義した。デジタルコマースアプリケーションとは、「企業が製品/サービスを販売するためのオンラインストアを構成することを可能にするアプリケーションソフトウェア/サービス」であり、主な機能として、利用者に対するオンラインショッピングカートの提供、製品やサービスの検索、注文の管理、リコメンデーションなどがある。この市場には、オンプレミス型ソフトウェアと、クラウドサービスが含まれる。
IDCでは、同市場は消費者やビジネスバイヤーがデジタルチャネルで製品/サービスを購買する際の大部分の手段として利用されていると考えており、デジタルコマースの手段を検討するユーザー企業にとっては、効率的なデジタル商取引向けソフトウェアというよりも、フロントエンドアプリケーションとバックエンドアプリケーションを適切に連携させるプラットフォームとして、デジタルによる顧客エクスペリエンス(CX)を提供する手段になりつつあるとみている。
クラウドサービスの成長が高く2022年の市場構成比は43.0%に達すると予測
上記のような市場定義にて、2017年の国内デジタルコマースアプリケーション市場規模は97億6,600万円になった。IDCでは、2018年以降の同市場は、デジタルトランスフォーメーション(DX)の浸透やAIシステムとの連携などの要因によって、2017年~2022年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は5.5%で成長し、2022年には127憶7,700万円の規模になると予測している。
同市場では、特にクラウドサービスの成長が高く、2017年~2022年のCAGRは24.0%で推移し、2022年の市場構成比は43.0%に達すると予測している。
IDC Japan グループディレクターである眞鍋敬氏は、「国内デジタルコマースアプリケーション市場は、消費者やビジネスバイヤーでのDXの浸透やデジタルマーケティングの浸透によって、需要が増加している。ITサプライヤーは、オンプレミス型とクラウド型システムを連携する手段の提供、インテリジェンス機能の提供、およびビジネス分析機能の強化に注力することが望ましい」と分析している。
今回の発表は、IDCが発行したレポート「国内デジタルコマースアプリケーション市場予測、2018年~2022年」にその詳細が報告されている。