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2016年以降のデータ増加率は588%と日本でも爆発的な増加――Dell EMCがデータ保護に関する最新調査結果を発表

 ■調査結果の概要

  • 2018年、日本企業が管理しているデータ量は88PB(グローバル:9.70PB)で、2016年の1.29PBから588%も増加(グローバル:2016年の1.45PBから569%の増加)。
  • 日本企業の回答者の88%(グローバル:92%)がデータに潜在的な価値があると回答し、40%(グローバル:36%)がすでに収益化していると回答。
  • 日本企業の回答者の66%(グローバル:76%)が過去12カ月に障害を経験。また、26%(グローバル:27%)が回復不能なデータ損失を経験し、2016年の7%から7倍増(グローバル:2016年の14%からほぼ倍増)。
  • 既存の規制に準拠していると自信を持っている日本企業の回答者は26%(グローバル:35%)だが、自社のデータ保護ソリューションが将来のあらゆる課題に対応できると考えている企業は20%(グローバル:16%)。
  • 日本企業の回答者の48%(グローバル:45%)が、クラウド ネイティブ アプリケーション、AI(人工知能)やマシンラーニング(機械学習)などの最新テクノロジーに対応できる適切なデータ保護ソリューションを見つけることに苦慮。

 本調査は、世界18か国、11業種にわたる従業員250人以上の公的機関および一般企業のIT意思決定権者2,200人を対象に実施しており、データ保護の現状およびデータ保護戦略の成熟度を包括的に理解することができるものになる。

 本調査では、日本企業が管理しているデータの1社あたりの平均的な量が2016年の1.29PBから2018年の8.88PBに増加していること、またデータの価値に対する認識が高まっていることが明らかになった。

 実際に、日本企業の回答者の88%がデータの潜在的価値を認め、40%がすでにデータの収益化を実現していると回答している。このように多くの企業がデータの価値を認めている一方で、ほとんどの回答者がデータを適切に保護する部分で苦労している。これらの要因が絡み合った状況が、本調査で明らかになった多くの事実の背景となっている。

高い代償が伴う障害インシデント

 データがビジネスに与える影響が重要になったことで、データ保護はますます難しくなっている。何よりも深刻なのは不可逆的なデータ損失の量が増えていることだ。過去12か月間に障害インシデントを経験した回答者は、日本で66%を数え、26%が既存のデータ保護ソリューションではデータを回復することができなかった。これは2016年の7%と比較すると3.7倍の数値になる。

 同時に、複数のデータ保護ベンダーを使っているとした回答者も67%に上り、これらの企業はデータ保護ベンダー1社のみを使用していた企業に比べて、同じ12か月の間に8%高い確率で何らかのタイプの障害を経験している。

 データ保護ベンダーを2社以上使用していた企業で最も多く見られたタイプの障害は、計画外のシステムダウンタイムで42%、続けてデータへのアクセスを阻害するランサムウェア攻撃27%、データ損失21%となっている。

 グローバルでは、発生頻度は計画外のシステムダウンタイムの方が高いものの、コスト面で見るとデータ損失の方が大幅に高額になる。例えば、過去12か月間に平均で20時間のダウンタイムを経験した企業の場合、コストが526,845ドルであるのに対し、データ損失を経験した企業は平均で2.13TB(テラバイト)のデータを失い、そのコストは100万ドル近くになる。

 一方、日本は過去12か月間に平均で20時間のダウンタイムを経験した企業の場合、コストが306,618ドル、データ損失を経験した企業は平均で1.70TBを失い、コストは264,474ドルとシステムダウンタイムによるコストが上回っている。

 さらに、障害を経験した企業の多くが、このような障害が顧客の信頼からブランドの資産価値、従業員の生産性などを含め、非常に幅広い範囲でビジネスに影響を及ぼしていると回答している。

 データ損失の代償は、失われたデータ量が多いほど、またデータ自体の価値が高いほど大きくなる。このことは、金銭的価値が最も大きなカテゴリーのデータほど、その保護へより真剣に取り組むと回答している日本企業が77%に上ることからも明らかだ。

データ保護を取り巻く課題

 企業はデータの急増と新しいテクノロジーに直面しているため、適切な対策を選ぶのに苦慮している。日本企業の回答者の91%は、データ保護に関する課題に直面しており、課題のトップ3は以下のとおり。

 ■日本のデータ保護に関する課題

  • 1位・次々と出現する新しいテクノロジーに対応できるデータ保護ソリューションの不足:48%(グローバル:45%)
  • 2位・データの急増を背景にしたバックアップ コピーの格納と管理に伴い膨れ上がるコスト:47%(グローバル:46%)
  • 3位・ハードウェアのパフォーマンスやネットワークの問題で、バックアップウィンドウ(バックアップ終了までの許容時間)満たせない:44%(グローバル:35%)

 グローバルでの課題1位は、「データ保護ソフトウェア/ハードウェアの設定と運用の複雑さ:46%(日本:37%)」と「データの急増を背景にしたバックアップコピーの格納と管理に伴い膨れ上がるコスト:46%(日本:47%)」だった。

 「新しいテクノロジーに対応するデータ保護ソリューショの不足」と回答している企業が示している新しいテクノロジーは、「クラウド ネイティブ アプリケーション」が48%、「AIおよびマシンラーニング データ向け」が42%、「IoT」が40%となっている。

 新しいテクノロジーの出現やデータの急増に伴うさまざまな課題は、まだ具体化しはじめたばかりだ。このような背景から、日本企業の80%は既存のデータ保護ソリューションは将来のあらゆるビジネスの課題に対応できないと考えている。

クラウドによるデータ保護環境の変化

 日本企業がIT環境にパブリック クラウドを利用している割合の平均は、2016年の19%から2018年の39%に増加し、グローバル(40%)と同レベルにまで上昇している。

 また、パブリック クラウドを利用しているほぼすべての企業(98%)が、データ保護インフラストラクチャーの一部としてパブリッククラウドを活用している。パブリッククラウドにおける上位の活用例は以下のとおり。

 ■日本のパブリッククラウドにおけるデータ保護の活用例

  • 1位・モバイルデバイスのバックアップ:43%(グローバル:30%)
  • 2位・特定のSaaSアプリケーションの保護:40%(グローバル:40%)
  • 3位・ディザスターリカバリー39%(グローバル:34%)
  • 4位・アーカイビング37%(グローバル:33%)
  • 5位・パブリッククラウドのワークロードを保護するための、オンプレミスのデータ保護ソフトウェアのクラウド対応バージョン 35%(グローバル:40%)
  • 5位・長期間にわたる保持:35%(グローバル:34%)

 グローバルでの活用例1位は「新しいアプリケーション アーキテクチャの利用に伴いパブリック クラウドで発生するワークロードを保護するためのバックアップ/スナップショット サービス:41%(日本:29%)」と「オンプレミスのワークロード/データのバックアップ:41%(日本:25%)」だった。

 パブリック クラウド環境でデータ保護ソリューションを検討する場合、データ環境の広がりが特に重要な役割を持ち、日本企業の63%がスケーラビリティ(拡張性)のオプションが重要であると回答している。

 具体的には、48%が大規模環境の保護に必要なデータ保護インフラストラクチャーやサービスの効果を挙げ、41%がパブリック クラウドのワークロードが増加する中でサービスをスケールアップする能力を挙げている。また、主要活用例においてグローバルと日本の回答に乖離があることから、今後新たに促進されていく活用例の出現も考えられる。

データ保護規制は進化に向けた促進要因

 GDPRをはじめとするデータプライバシーに関する規制は比較的新しい要因のため、データ業界における本当の影響はまだ具体化していない。ただし、これらの規制へのコンプライアンスはデータ保護における課題として急速に重要度を増しており、グローバルの調査結果では41%とデータ保護の課題のトップ3にランクインしているが、日本では29%とグローバルと比較すると重要度は低くなっている。

 さらに、各国・地域の規制に対する自社の現在のデータ保護インフラストラクチャーとプロセスのコンプライアンス態勢に自信があるとした日本企業の回答者は26%(グローバル:35%)にとどまった。

 この認識は実際の結果として現実化しつつあり、過去12か月間にデータ損失や計画外ダウンタイムを経験した日本企業の4%が、これらのインシデントの結果として罰金を支払っている。グローバルの結果の12%と比べると低いものの、今後デジタル革新の進行に伴い増えていくことが考えられる。

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