シンクライアント専用端末市場、2018年の出荷台数は前年比19.3%増
国内シンクライアント専用端末市場の2018年の出荷台数は、総計24万3,512台、前年比19.3%増とプラス成長に転じた。富士通が初めて1位を獲得、2位は日本HP、3位はデル、4位はAtrust、5位はNECとなった。
シンクライアントをフォームファクター別に見ると、2018年は、全体の43%をモバイルシンクライアントが占め、IDCで調査を開始した2008年から過去最高の割合となった。
モバイルシンクライアントは、世界市場での需要は低く、日本国内でのみ需要が高い製品だ。選定ポイントは軽さ、スクリーンサイズ、性能、デザイン、堅牢性で、歩いて持ち運ぶ機会の多い国内市場において、軽さの優先順位が高い傾向にある。
2018年クライアント仮想化ソリューション(オンプレミス)市場は6,284億円、前年比6.6%増
2018年 国内クライアント仮想化ソリューション(オンプレミス)市場売上額は6,284億円、前年比6.6%増で、ベンダー別では、上位から富士通、日立製作所、NEC、日本ヒューレット・パッカード、IBM、NTTデータの順となった。
2018年 国内クライアント仮想化サービス市場売上額は676億円、前年比12.6%増で、ベンダー別では、上位から富士通、日鉄ソリューションズ(NSSOL)、NTTデータ、NEC、日立製作所、IIJの順だった。
2018年 国内モバイル仮想化ソリューション市場売上額は257億円、前年比で13.3%の成長だった。ベンダー別では、順に富士通、e-Janネットワークス、NTTテクノクロス、スプラッシュトップ、RSUPPORT(アールサポート)となった。
富士通は、主力製品であるFENICS IIで、リモートアクセスサービスのFENICS II ユニバーサルコネクト(FENICSはFujitsu Enhanced Information and Communication Services、富士通が提供する企業向けネットワークサービスの総称)が、前年比で大きく成長した。
上記4つの市場で、富士通が全て1位を獲得した。これはIDCで市場調査を開始して初となる。
IDC Japan PC、携帯端末&クライアントソリューション シニアマーケットアナリストである渋谷寛氏は、「2019年は、デジタルワークスペースがさらに革新し、インテリジェントワークスペースへ発展するであろう。セキュリティ/認証系のクラウドサービス、ストレージサービスなどの新技術を見極めながら自社エンドポイント環境に融合させることが求められている」と述べている。
今回の発表は、IDCが発行した「国内クライアント仮想化市場シェア、2018年:インテリジェントワークスペース実現へのロードマップ」にその詳細が報告されている。