2018年のAIシステム市場全体は前年比の91.4%増の532億円と推定
AIシステム市場の中で、AIのコンピューティング能力を提供するサーバーと学習データを蓄積するストレージで構成される「ハードウェア」の2018年の支出額は、前年比119.8%増の142億円で、市場全体の26.6%を占めた。
また、AIシステム構築のためのコンサルティングサービスやアウトソーシングで構成される「サービス」は、前年比87.2%増の200億円で、市場全体の37.5%を占め、さらにAIのコア機能を提供するAIソフトウェアプラットフォーム、およびAIアプリケーションで構成される「ソフトウェア」は、前年比78.6%増の191億円で市場全体の35.9%を占めた。
結果として、2018年のAIシステム市場全体は前年比の91.4%増の532億円になったとIDCでは推定している。
予測期間初期はサービス市場の比率が高く、後半はアプリケーションへのAI機能組み込みが進む
予測期間の初期では、ユーザー企業におけるAIシステムを検証する目的の継続的なPOC実施があるため、ITコンサルティング/ビジネスコンサルティング/インテグレーションなどのサービス市場の比率が高くなる。
予測期間の後半では、アプリケーションソフトウェアへのAI機能の組み込みが進み、ソフトウェア市場の2018年~2023年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)が53.4%と高い成長率を維持し、2023年には、同市場は1,619億円に達するとIDCでは予測している。
国内AIシステム市場全体では上記を背景として、2018年~2023年のCAGRは46.4%で、2023年には3,578億円に達するとIDCでは予測している。
IDC Japanソフトウェア&セキュリティ リサーチマネージャーの飯坂暢子氏は、「ITサプライヤーは企業が外部環境の変革に着手し、継続的なDX(Digital Transformation)を実現できるようデジタルを核とするビジネスモデルをデザインできるコンサルテーションと、柔軟なAIシステム環境/サービスなど、顧客に多様な選択肢を提案できることが重要になる」と述べている。
今回の発表は、IDCが発行した「国内AIシステム市場予測、2019年~2023年」にその詳細が報告されている。