2019年は前年比成長率191.1%で、前年の18億6,100万円から54億1,800万円に
IDCの調査によると、国内SD-WAN市場の市場規模は、2018年が18億6,100万円だった。2019年には、これが54億1,800万円(前年比成長率191.1%)に成長するとIDCでは予測している。さらに、2023年には346億7,200万円(2018年~2023年の5年間における年間平均成長率79.5%)に達する。
SD-WAN市場は、2019年に揺籃期から成長期に移行しつつある。SD-WAN製品や市場は、現段階ではまだ発展途上だが、今後徐々に成熟し、長期的にはSD-WAN技術は市場に広く普及するとIDCでは予測している。
同市場には、既存のルーターベンダーや通信事業者以外に、セキュリティベンダー、クラウドサービス事業者、スタートアップ企業など、さまざまな出自の企業が多数参入している。これは、SD-WANがもたらす既存のWAN市場の変革とその市場機会に対するベンダー側の期待の大きさを示すものだという。
グローバルネットワークを運用する企業ではSD-WANのメリットを享受
ユーザー側に目を向けると、多数の海外拠点を接続するグローバルネットワークを運用する企業では、SD-WANによってコスト削減やセキュリティ/ガバナンスの強化などメリットを享受できるケースが多いことから、SD-WANが比較的順調に導入されていくと考えられる。
一方で、こうしたメリットが得られにくい国内拠点のみの企業への浸透はやや緩やかであると予測される。
IDC Japanコミュニケーションズ リサーチマネージャーの小野陽子氏は、「SD-WANは、パラダイムシフトをもたらす変革的な技術である。WAN関連市場のプレイヤーは、新規に、あるいは隣接ドメインからSD-WANを擁して自らの市場ドメインに参入してくる競合プレイヤーの動きに注意を払うべきである。当初は競合とはみなしていなかったプレイヤーもパラダイムシフトの波にうまく乗れば、数年後には脅威になる可能性がある」と述べている。
今回の発表は、IDCが発行した「国内SD-WAN市場予測、2019年~2023年:揺籃期を抜け成長期へ」にその詳細が報告されている。