Windows Server 2008は、マイクロソフト社初の仮想化技術を搭載したサーバー製品であり、企業の重要な役割を持つシステムとして大量に稼働している。この製品は、2020年1月14日にはサポート終了が決まっており、終了が間近に迫った現在でも、日本国内で20万台以上が稼働しているとみられている。
サポート終了後にセキュリティアップデートプログラムの提供を受けるには、同社と延長サポート契約をするか、新しい製品へのバージョンアップが必要となる。
しかし、いずれも高額な費用(延長サポートの契約の場合、年額で全ライセンス金額の75%の費用)が必要となる上に、バージョンアップには年単位の移行期間が見込まれることから現実的ではないという。
一方で、セキュリティアップデートをしないまま運用した場合、2017年に世界的に大きな脅威となった「ワナクライ」に代表されるように、閉鎖されたネットワーク環境を破壊するようなマルウェアに感染した場合に、一気に被害が拡大し企業経営に対して大打撃となる懸念がある。
マイクロソフト社はオンプレミス環境のWindows Server 2008を同社のパブリッククラウドサービス「Microsoft Azure」に移行した場合に限り、無償でセキュリティアップデートプログラムを提供することを決定している。
ラックとしては、製品が企業の重要なシステムで稼働し続けることが、深刻なセキュリティ対策上の脆弱性につながることを懸念しており、このたびMicrosoft Azureへのクラウド移行支援と、移行後のシステムのセキュリティ診断を付帯した、「セキュリティ診断付Azure 移行支援サービス」の提供を開始する。
「セキュリティ診断付Azure移行支援サービス」は、オンプレミス環境もしくは他のクラウド環境からAzure環境への移行の計画と実施をサポートするもので、複数サーバーを連携して稼働するシステム全体の移行にも対応する。また、クラウドへ移行したシステムのセキュリティ診断を行い、クラウド利用のセキュリティ上の懸念を解消するとしている。