企業向け市場では、アライドテレシス、ヤマハがシスコシステムズに続く
無線LAN機器市場の成長を原動力として、健全な成長を遂げている企業向けネットワーク機器市場においても、シスコシステムズが2017年と同様に半分近いシェアを有している。
そして、シスコシステムズに続くアライドテレシスとヤマハも、それぞれイーサネットスイッチとルーター市場という安定基盤を持ちながら、無線LAN機器市場の成長の波を捉えている。企業向けネットワーク機器市場では、「安定基盤」+「無線LAN機器市場での成長」が、近年の成功の方程式になっているとIDCでは分析している。
製品分野別に見ると、成長を続ける企業向け無線LAN機器市場では、市場と共に成長するベンダーも多く、2018年の上位9ベンダーのうち、半数以上に当たる5社が前年を上回る実績を上げた。
特に目を引くのはリーディングベンダーであるシスコシステムズが、市場成長率を大きく上回る35.4%増を達成した点だ。同社の無線LAN製品ラインナップは、主にオンプレミスの無線LANコントローラーを活用するCisco Aironet/Catalystシリーズと、クラウド管理型無線LANシステムのCisco Merakiで構成されているが、いずれの製品ラインナップも、高成長に寄与したとIDCではみている。
通信事業者向けネットワーク機器市場は低迷が続くが、5G向けが大きなビジネス機会に
国内通信事業者向けネットワーク機器市場は、企業向け市場とは対照的に低迷を続けている。国内移動体通信事業者の大規模なLTEサービス向け投資が終息した2015年以降、4年間に渡って低調な状況が続いた。
低迷を脱する次の大きなビジネス機会として、通信事業者向けネットワーク機器ベンダーが期待を寄せる、5Gサービス向けネットワーク機器の選定において、「5Gサービス展開の迅速化、省力化にいかに寄与できるかが重要なポイントになる。5G基地局の迅速な展開を阻害する要因として、設置に関わる人材不足が挙がる中で、ネットワーク機器の設置や試験を自動化し省力化する重要性がいっそう高まる」とIDC Japan コミュニケーションズのグループマネージャーである草野賢一氏は述べている。
今回の発表は、IDCが発行した「国内ネットワーク機器市場シェア、2018年:無線LAN機器市場がベンダーランドスケープの変化を起こす」にその詳細が報告されている。レポートでは、2018年の国内ネットワーク機器市場に関して、市場全体およびユーザーセグメント別ベンダーシェアに加えて、製品分野別のベンダーシェアとベンダー動向を分析している。