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伊藤忠商事、次世代全社統合データ基盤に「SAP HANA」を採用、大幅な業務効率化を実現

 SAPジャパンは、伊藤忠商事がインメモリプラットフォームの「SAP HANA」および分析ツール「SAP BusinessObjects」を使ってビジネスデータの分析を支援する次世代全社統合データ基盤を構築し、2018年5月から稼働を開始したこと、それらを全社規模で活用して分析業務の高度化・効率化を実現していることを、3月30日に発表した。なお、システムの導入には、SAPのサポートサービス「Premium Engagements」を利用している。

 伊藤忠商事では、1970年代から活用してきた基幹システムを、事業の成長とともに進化させてきたものの、システムコンセプトを維持してきた結果、リアルタイムな損益把握が難しいことや、保守作業の属人化、新たな要件実装のための時間とコストの増大といった課題が表面化していた。

 2018年5月の、基幹システムの「SAP S/4HANA」への移行は、こうした課題を受けて行われたもので、諸勘定元帳出力では約250倍の処理時間効率化を実現している。また、基幹システムと並行して次世代全社統合データ基盤「Data Lake」を構築し、プラットフォームには「SAP S/4HANA」との親和性が高く、数千件規模のトランザクションデータでも高速なレスポンスを実現可能な「SAP HANA」を採用した。

 さらに、蓄積したデータからユーザーが集計や分析を行うために「SAP BusinessObjects」を導入。新基幹システムの会計データに加えて、繊維、機械、金属、エネルギー・化学品、食料、住生活、情報・金融、第8の8つのカンパニーの営業取引に関わるすべてのデータや物流/人事総務データを集約し、現場のニーズに応じてレポートやビジネスデータを提供する全社統合データ分析システム「HANABI」を構築している。

 現在は、全社規模でのデータ活用の推進にともない、約1900名が「HANABI」を利用しており、新たに立ち上げた専門組織「Business Intelligence Competency Center(BICC)」が活用支援を行うことで、分析業務の効率化を徹底する。

 業務効率化の効果としては、機械カンパニーで従来は4時間かかっていた、ある業務の損益月次分析のレポート作成時間が20分に短縮され、年間100時間以上の業務削減を実現した。また、手作業での結合や集計が不要になったことから、作業ミスのリスクも大幅に軽減されている。

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