NTTコミュニケーションズは、DXを推進し、社会的課題の解決を通じた「Smart World」の実現を目指している。その取り組みのひとつである「Smart Factory」において、データ利活用に必要なすべての機能をワンストップで利用できる「Smart Data Platform」を活用し、製造業に特化した業界協調型デジタルプラットフォームやDXソリューションを、2020年度より展開していく。
具体的な取り組み内容としては、「Smart Data Platform」上で、各企業の秘匿性の高いデータを安全に流通させる仕組みである「DATA Trust」を備えた業界協調型デジタルプラットフォームを構築。製造業各社のコアコンピタンス強化を支援する製造業向けDXソリューションの提供を行うことで、製造業のDXを支援し、各社の“新しいモノ&サービスづくり”に貢献する。
「DATA Trust」は、データの所有者がデータの利用条件や利用者を指定可能なので、秘匿性の高いデータを安全に流通・分析できる。同社は、NTTソフトウェアイノベーションセンタの研究成果を活用し、「DATA Trust」を「Smart Data Platform」の基盤機能の1つとして提供することによって、さまざまな企業のデータが共存可能な業界エコシステムとして、産業全体の競争力を下支えしていく。
また、これまでNTTグループが取り組んできたAIやデータ分析の知見と、製造各社の技術・ノウハウを掛け合わせるとともに、ローカル5GやOT(Operational Technology)セキュリティを活用して、製造現場のさまざまな課題を解決し新たな価値創出を支援する。
「Smart Factory」を実現するための取り組みとしては、デジタルマッチング(設計/調達DX)として、製造業全体の業務効率化に向けた3次元設計データによる部品(直接材)の調達にフォーカスしたマッチングと設計・調達業務の効率化を軸としたサービスの提供を行う。
「組立加工DX」としては、IoT技術の活用によって工場の見える化や複数工場間の連携を実現し、工作機械業界全体のDXを支援するサービスを提供する。また「化学プラントDX」としては、アドオンセンサーによる異常検知、音声認識デジタル点検表、目視作業のAI画像解析による自動化など、運転・保全員の五感データを活用したアプリケーション、防爆インフラを提供する。
さらに、「デジタルツイン/アナリティクス」として、工場内で発生するデータをAIで解析し、品質予測・異常検知・運転最適化・要因可視化・自動制御などによってコアコンピタンスのDXソリューションを提供。サーキュラーエコノミーを実現するために必要な原材料・中間材・製品・エネルギー・人に関わるデータを流通するためのプラットフォームを、パートナーと共同で提供していく。
今後は、デジタルマッチング(設計/調達DX)に関する実証実験を行い、デジタルパートナーも含めたエコシステムを構築することで、製造業のDXを後押しし、“新しいモノ&サービスづくり”に貢献する。