ガートナージャパンは、「日本におけるセキュリティ(デジタル・ワークプレース)のハイプ・サイクル:2020年」を発表した。
2020年版の本ハイプ・サイクルでは、企業におけるクラウドやモバイルの積極的な利用の動きに合わせてセキュリティ・テクノロジの検討が進むと考えらえる「ゼロ・トラスト・ネットワーク・アクセス」「SASE(セキュア・アクセス・サービス・エッジ)」「KMaaS(サービスとしての鍵管理:Key Management as a Service)」を新規で追加した。
また、「SaaS版アイデンティティ/アクセス管理」「CASB(クラウド・アクセス・セキュリティ・ブローカ)」「BYOD(個人所有デバイスの業務利用)」「電子サイン」といったテクノロジについては、テレワークの拡大を背景に、これまで以上に多くの企業の関心を集めているとしている。
アナリストでシニアプリンシパルの矢野 薫氏は次のように述べている。「これまでも『働き方改革』という名称でテレワーク環境の整備が国内企業でも進められてきましたが、その多くは、一部の従業員による申請ベースでの短期的な利用など、限定的な実施にとどまっていました。現在のワークプレースの検討は、より多くの従業員を対象に、より長期的に、より柔軟に働ける新しい環境を構築することに主眼が置かれています。セキュリティについても、この新しい働き方および環境を前提にテクノロジの理解を深め、新たな議論を開始することが急務です」
また、矢野氏は日本のセキュリティについて「デジタル・ワークプレースのセキュリティがこれまでのセキュリティと大きく異なるのは、ユーザーのニーズとセキュリティのリスクが、これまで以上に多様化する点にあります。そしてこの2つの動向に正しく追随していくことがセキュリティ責任者に課せられた新たなチャレンジとなっています。本ハイプ・サイクルに示されているとおり、セキュリティの技術の発展により、多様化するニーズとリスクに応じて、企業が選択できるテクノロジは増えてきました。本ハイプ・サイクルで取り上げたテクノロジのうち、既に成熟度が高く、自社でまだ導入していないものがあれば、必要性が高いと判断できるものについては積極的に導入を検討すべきです」と話した。