ヴイエムウェアは9月16日、アプリケーションおよびインフラのモダナイゼーションを加速させる新製品を発表した。
開発者向けのインフラを提供
新しく発表されたVMware vSphere with VMware Tanzuにより、vSphereの顧客に向けたKubernetesの利用開始と、vSphere上で実行されている7,000万以上のワークロードのモダナイゼーションを提供。
具体的には、vSphere with Tanzuの利用により、既存のネットワークとブロック ストレージやファイル ストレージを使い、1時間以内にエンタープライズクラスのKubernetesインフラを構成できる。また、vSphere with Tanzuの利用時には、VMware NSX Advanced Load Balancer Essentialsの導入や、独自のL4ロードバランシングソリューションの選択も可能となる。
また、VMware vCenter Serverを使用すると、数分間でのKubernetesクラスタの導入やロールベースアクセスコントロールの実装、開発者へのキャパシティの割り当てが可能になるという。
なお、ヴイエムウェアはDell EMC ObjectScaleをvSAN Data Persistenceプラットフォーム上で統合、検証することも発表した。加えて、Cloudian、DataStax、MinIOとのパートナシップおよび共同エンジニアリングの取り組みも発表。パートナ各社との連携により、この新しいプラットフォームでは以下が可能になるとしている。
- 開発者がKubernetes APIを経由したセルフサービス形態のオンデマンドのステートフルサービスのプロビジョニングと拡張を実現することで、IT管理者の運用効率性を最大化
- vCenterの専用ダッシュボードを通じた、統合サービスの健全性とキャパシティの監視
- サービス対応のインフラ運用機能を活用した、メンテナンスやライフサイクル管理など、インフラ変更時におけるサービス可用性の確保
- 最適なストレージ効率による、ステートフル サービスの実行
効率的で無駄の少ないインフラ拡張と運用の簡素化
本日発表したアプリとインフラをモダナイゼーションする最新機能に加え、VMware vSphere 7 Update 1、VMware vSAN 7 Update 1、VMware Cloud Foundation 4.1には、従来のワークロードの実行をサポートする新機能が採用されている。これらの新機能と機能強化により、次のようにインフラを拡張し、運用を簡素化できる。
- モンスターVMの拡張:vSphere 7 Update 1の仮想マシン(VM)は、最大24TB RAMおよび768 vCPUまで拡張可能で、インメモリデータベースなどのリソース集約型アプリケーションに対応
- クラスタ スケールの強化:vSphere 7 Update 1では、クラスタあたりのホスト数のサポートが従来比で50%拡張され、クラスタあたり最大96ホストまで拡張可能
- HCIメッシュ:vSAN 7 Update 1では、コンピュートとストレージのリソースを分離する、独自のソフトウェアベースのアプローチであるHCIメッシュが導入され、段階的な拡張が可能になった
- データ圧縮単体での有効化オプション:これは新しいvSAN 7 Update 1のオプション。従来は重複排除と圧縮をセットで実行していたが、今回のリリースで圧縮機能のみを有効化できる
- エンタープライズ対応ファイルサービス:vSAN 7 Update 1では、SMB v3およびv2.1プロトコルのサポートを追加し、最も一般的なファイル サービス プロトコルに対応する。さらにvSANファイルサービスでは、Active Directoryの統合機能と、Kerberosベースのネットワーク認証にも対応
- リモートクラスタ:新しいリモート クラスタ機能により、VMware Cloud Foundation 4.1の運用機能をエッジロケーションや拠点にまで拡張できる
- vVolsの統合:VMware Cloud Foundation 4.1 with Tanzuへの新たなvVolの統合機能により、外部ストレージ用の共通ストレージ管理フレームワークを提供
- VMware SkylineTMによるVMware Cloud Foundationのサポート:VMware Skylineが、管理およびワークロードのドメインを特定。VMware Cloud Foundationソリューションの知見をプロアクティブに反映することで、VMware Cloud Foundationにプロアクティブなインテリジェンスをもたらす