日本アイ・ビー・エム(日本IBM)は、三井住友信託銀行の業務プロセス自動化を推進する「AI-OCRシステム」に、AIを活用したOCR基盤を構築するソフトウェア「IBM Datacap」が採用され、利用が開始されたことを発表した。
今回利用を開始した「AI-OCRシステム」は、複数の業務で共同利用でき、活字だけでなく手書き文字にも対応し、種類の異なる多数の帳票から必要な情報を抽出しデータ化できるシステム。まず第1弾として、遺言信託業務と税務調査業務の利用から開始し、今後対象業務を拡充していく予定だという。
システムは、OCR基盤を構築するソフトウェア「IBM Datacap」を採用し、OCRエンジンにはIBM Datacap内蔵のOCRエンジンとAI insideのAI-OCR「DX Suite」を組み合わせて構築した。
「IBM Datacap」は、高機能なOCR利用基盤として、コグニティブ機能により非定型の帳票を自動的に構造解析し、識別、分類、およびデータの抽出を実施。さらに、内蔵のOCRエンジンに加え、他社OCRエンジンを組み込むことができ、帳票の文字特性等に合わせた最適なOCRエンジンによるデータ化を行うことが可能だとしている。
「AI-OCRシステム」の利用開始により、既存のRPAと組み合わせて活用することで業務プロセス自動化の対象範囲拡大が可能となり、生産性向上と業務効率化を加速させた。たとえば、遺言信託業務において、従来は年間6万枚以上の紙の帳票を手作業で処理していたが、100種類以上の異なる帳票を自動的に仕分けて、帳票ごとに異なる必要情報をデータ化した。これにより、約45%の処理時間の短縮による業務効率化を実現しているという。