オラクルは米現地時間1月13日、「Oracle Database 21c」、同バージョンを含む「Oracle Autonomous Database」の「Always Free」を「Oracle Cloud」上で提供開始したことを発表した。
「Oracle Database 21c」には、変更不可能なブロックチェーン表、インデータベースJavaScript、ネイティブJSONバイナリ・データ型、インデータベース機械学習(ML)用AutoML、永続性メモリストアなどの200を上回る新規イノベーションと、インメモリ、グラフ処理パフォーマンス、シャーディング、マルチテナント、セキュリティの機能強化が盛り込まれている。
「Oracle Database 21c」の新規イノベーション
- 変更不可能なブロックチェーン表:「Crypto-Secure Data Management」の一部であるブロックチェーン表は、行が暗号化の上で連結された変更不可能な挿入専用のテーブルを提供する。改ざん検出および防止機能をOracle Databaseに直接提供することで、管理者やユーザーに成りすますインサイダーやハッカーによる不法な変更を防止できる
- ネイティブJSONデータ型:新たにJSONデータ型表現が追加され、スキャンが最大で10倍、アップデート処理が最大で4倍高速になる。全体として、これらの機能向上により、「Oracle SQL/JSON」は、YCSBベンチマークにおいてMongoDBやAWS DocumentDBと比較して2倍高速になったという
- インデータベース機械学習用AutoML:機械学習モデルを規模に応じて自動的に構築および比較し、専門家以外による機械学習の利用を促進する
- インデータベースJavaScript:組み込まれているGraal Multilingual Engineにより、データが存在するデータベース内でJavaScriptデータ処理コードを実行することで、コストのかかるネットワーク利用を排除する。また、JavaScriptコード内からSQLを実行でき、JavaScriptデータ型はオラクル・データベース・データに自動的にマッピングされる
- 永続性メモリのサポート:データベース・データとREDOログをローカルの永続性メモリに格納することで、IOバウンド・ワークロードのパフォーマンスが飛躍的に向上する。SQLは、直接マッピングされた永続性メモリ・ファイルシステムに格納されたデータに対して直接実行されるため、IOコード・パスと大規模バッファ・キャッシュが不要になるとしている
- 高パフォーマンスのグラフ・モデル:データを関係に基づいてモデリングできるようにし、ソーシャル・ネットワークやIoTなどのつながりやパターンを調べることができる
- データベース・インメモリの自動化:「インメモリ列ストアの自己管理」を搭載することにより、インメモリ列ストア内のオブジェクトの配置と除去を自動的に管理する。また使用パターンの追跡と、列ストアからのオブジェクトの移動と削除を行うことで処理を合理化し、効率を向上させる
- シャーディングの自動化:ネイティブ・データベース・シャーディングは、ハイパースケールなパフォーマンスと可用性を提供するという。また、シャーディングの設計と利用を簡略化するために、シャーディング・アドバイザー・ツールが用意されている
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