米現地時間1月21日、IBMは、2020年度第4四半期および2020年度通期の連結決算を発表した。
第4四半期の業績ハイライト
- 潜在株式調整後の継続事業による1株あたり利益は、GAAPベースで1.41ドル。営業ベース(非GAAP)は2.07ドル(潜在株式調整後の1株あたり利益には、第4四半期に実施した組織構造上の措置による20億ドル以上の税引前費用の影響が含まれる)
- 第4四半期の収益は6%減(事業売却と為替変動の影響を調整した場合は8%減)の204億ドル
- 第4四半期のクラウドによる収益は10%増(事業売却と為替変動の影響を調整した場合は8%増)の75億ドル
- Red Hatの収益は過去の業績との比較可能性を考慮して調整すると19%増(為替変動の影響を調整した場合は17%増)
- GAAPベースの売上総利益率は70ベーシス・ポイント成長の51.7%。営業ベース(非GAAP)の売上総利益率は70ベーシス・ポイント成長の52.5%
- 第3四半期末以降、債務は39億ドル削減
通期の業績ハイライト
- 潜在株式調整後の継続事業による1株あたり利益は、GAAPベースで6.13ドル。営業ベース(非GAAP)は8.67ドル
- 収益は5%減(事業売却と為替変動の影響を調整した場合は4%減)の736億ドル
- クラウドによる総収益は19%増(事業売却と為替変動の影響を調整した場合は20%増)の251億ドル
- Red Hatの収益は過去の業績との比較可能性を考慮して調整すると18%増
- GAAPベースの売上総利益率は、100ベーシス・ポイント成長。営業ベース(非GAAP)の売上総利益率は、130ベーシス・ポイント成長
- 事業活動による純現金収入は182億ドル、フリー・キャッシュ・フローは108億ドル
- 手元現金は143億ドル。Red Hat買収手続き完了以降、債務は110億ドル以上削減
キャッシュ・フローおよび財務状況
同社は、第4四半期に事業活動により59億ドル(グローバル・ファイナンシング事業における売上債権を除くと68億ドル)の純現金収入があった。また、第4四半期のフリー・キャッシュ・フローは61億ドルとなったという。
2020年通期では事業活動により182億ドル(グローバル・ファイナンシング事業における売上債権を除くと138億ドル)の純現金収入があった。正味の設備投資額は、主にクラウドのインフラストラクチャーへの投資により7億ドル増の30億ドル。フリー・キャッシュ・フローは108億ドルである。
2020年第4四半期末のIBMの手元現金は前年の年末から53億ドル増の143億ドル(有価証券が含む)となった。グローバル・ファイナンシング事業の債務212億ドルを含めた債務総額は615億ドルとなり、第3四半期末から39億ドル、Red Hat買収手続き完了からは115億ドル、それぞれ減少している。
2021年度通期予測
現在の為替レートに基づいて、2021年度通期は収益増となることを予測している。また、110億ドルの調整済フリー・キャッシュ・フローが2021年には120億ドルになることを予測しているという。
IBMの最高経営責任者(CEO)のアービンド・クリシュナ(Arvind Krishna)氏は、「2020年、当社は不確実なマクロ経済に対処しながら、ハイブリッドクラウド・プラットフォームをお客様のデジタル・トランスフォーメーションの基盤に成長させました。ハイブリッドクラウドとAIに注力していくことにより、当社は、2021年に収益を成長させていくことができるでしょう」と述べている。
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