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日本オラクル、オムロン阿蘇のデータ活用を「OCI」などで支援

 日本オラクルは4月5日、オムロン阿蘇が、同社の生産革新活動の一環として自社にある工場内の「生産ラインの見える化」および経営でのデータ活用推進を目的とした生産データの活用基盤に「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」で提供される「Oracle Autonomous Data Warehouse」と「Oracle Analytics Cloud」を導入したことを発表した。

 オムロン阿蘇では、日々の生産革新活動でデータ分析範囲を徐々に広げていくため、新しいデータの取り込みや製造データだけではなく、財務情報や経営データを含む他のシステム内データとの連携性を重視。複数のデータ分析ツールを比較評価した結果、活動の中心となる現場担当者や経営層がユーザーインターフェースや操作性を評価し、Oracle Autonomous Data WarehouseとOracle Analytics Cloudを選定したという。

 両製品は、オンプレミスで稼働する他社ツールと比較して導入コストを約70%削減。また、他社がユーザー・ライセンス課金であるところ、従量制課金でサービスを利用可能で、将来的な分析画面追加などの工数やデータの増加にともなう開発者や利用ユーザー数の追加の際にも運用コスト増加の懸念がない点も選定のポイントだとしている。

 同社では、日本オラクルのコンサルティング・サービス部門の支援のもと、1ヵ月という短期間でデータ活用基盤を構築、生産ラインの進捗状況を可視化する画面作成を完了し、2020年5月から順次運用を開始しているという。ソーラーパワーコンディショナの生産3ラインに、生産した製品の通過を自動カウントするRFIDの仕組みを構築し、そのデータを自動集計して生産開始時間・工程完了時間・生産数などの情報を可視化している。

 可視化された画面は、工場内モニターで生産現場従業員が進捗確認を行うだけでなく、本社オフィス内に設置した大画面モニターでも表示するほか、コロナ禍での在宅勤務中の従業員も自宅でPCからアクセス可能で、現場担当者、経営者や生産部門の監督者・管理者が同じ生産ラインの進捗状況をリアルタイムで確認できる環境を実現。これにより、生産ラインに異常を検知した際にはリモートで迅速かつ適切な対応手段を協議でき、より迅速かつ効果的な対応を講じることが可能になったという。

 さらに、これまで手作業でデータを収集し、表計算ツールに入力・集計していた現場の作業負荷や本社担当者の工場や現場への移動時間の削減などの従業員の業務効率向上に加え、異常発生時の生産部門の監督者・管理者や現場従業員の心理的負担の軽減にも寄与している。

 オムロン阿蘇では、今後の取り組みとして、基幹システムとの連携による売上実績などの経営数値の見える化、異常発生の検知、セグメント別の生産・売上実績推移などの可視化を検討しているという。

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