インテックは、生化学工業のデータ活用基盤を構築し、4月に基幹システムをパブリッククラウドへ完全移行したことを発表した。
生化学工業は、2007年に導入した会計パッケージ「SuperStream」が2020年にサポート切れを迎えるのを機に、2018年10月から基幹システムの見直しとシステム基盤再構築の検討を開始。新薬開発の技術革新や、薬価改定が2年に1度から毎年実施に変更になるなど製薬業界の環境変化もあり、新システムには全社データ連携基盤の構築が不可欠だったという。
また、生産管理、販売管理、原価管理にはSCMパッケージ「mcframe」を使用しており、パッケージベースの基幹システムを今後も継続的、安定的に利用できるようにするため、パブリッククラウドへの移行が必須条件だったとしている。
同社は、会計パッケージの新バージョン導入に際し、業務フローを見直してアドオン機能をゼロにし、保守費用の大幅削減を実現。さらに、データを蓄積するデータウェアハウス(DWH)、社内の各業務システムからデータを抽出するデータ連携基盤(EAI)を構築するだけでなく、データを分析・可視化するためのBIツールも導入。IT部門に頼らず現場主導でデータを活用する仕組みを実現している。
これにより、経営会議向けの経営ダッシュボード作成、工場での製品の歩留まりチェック、本社の営業部門での販売状況の分析など、データ活用が各部門で進んでいるとしている。また、システム基盤にはパブリッククラウド「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」を採用し、基幹システムをOCIに移行したことで、レスポンスの向上、データベース関連のランニングコストの大幅削減を実現。バックアップ運用もテープに記録して倉庫に保管する方式からクラウドでのリージョン間バックアップに変更することで、手間と保管スペースの課題を解決できたという。
今後は業務系、品質系システムについてもパブリッククラウドに移行することを計画。また、論文検索の自動化など、新薬開発の期間短縮に貢献する取り組みも積極的に進めていく予定だとしている。
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