矢野経済研究所は、国内外のM2M(Machine to Machine)市場を調査し、同分野の将来展望を発表した。同研究所によれば、2020年度の国内M2M市場規模(事業者売上高ベース)は2130億円で、前年度比1.4%増と微増推移となった。2021年度は、前年比2.8%増に止まる2190億円を見込んでいる。
製造/工場では、既にIoT型遠隔監視が普及しているエネルギー設備などのファシリティに加えて、“大型・高額な生産機器・設備”での普及も始まっているという。また、工場の新設時、及び既存設備の更新時などには、次世代仕様(IoT機能)を組み込んだ機器・設備を導入する動きも顕在化しているとのこと。
同研究所の見立てでは、2025年頃までは売上規模3000億円以上の大手メーカーが主導。そして2025年以降では、売上規模500~3000億円の中堅・準大手メーカーへの浸透が見込まれる。また、 2030年以降には、ほぼ全ての製造機器・設備のIoT化が実現すると予測。その結果、中堅・中小メーカーを含めたほぼ全ての製造業で、IoT型遠隔監視システムの活用が可能になるとのこと。
2025年度に向けてM2Mマーケットは、伸長率的にはやや鈍化するものの、基本的には拡大基調が継続すると同研究所は見込んでいる。
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