NECは、作業現場などに設置された多数のカメラ映像のリアルタイムかつ高精度な分析を可能とする「アプリケーションアウェアICT制御技術」を開発したと発表した。
近年、物流・製造・建設などの現場では、業務改革や安全性向上などを目的としたDXの取り組みが加速。
特に、現実空間の活動をデジタル空間に再現するデジタルツインが注目されており、現場に多数のカメラを設置し、行動認識などの高度な映像分析AIを活用して、作業進捗状況や不安全行動などを把握するニーズが高まっているという。
こうした現場では、電源もしくは設置場所の制約や多品種少量生産などによるレイアウト変更が発生することも多く、エッジデバイスの小型化や通信の無線化が求められる。しかし、現場の状況変化により映像分析AIの処理量が増大した場合、小型のエッジデバイスでは処理能力が不足する課題がある。
またクラウドに処理を割り振る場合、大容量の映像データを無線送信する必要があるため、カメラ数の増加時や電波状態の悪化時に、通信帯域が不足する課題があるという。
そこで映像内の分析すべき領域のみを抽出し、その重要度や負荷に応じて処理をエッジデバイスとクラウドに動的に割り振ることで、処理能力や通信帯域が限られた環境での映像分析を可能にする「アプリケーションアウェアICT制御技術」を今回開発。
本技術により、ICTリソースを効率的に活用することで、多数のカメラを設置した大規模な現場において、リアルタイムかつ高精度に状況を把握して生産性の向上を図ることや、安全ではない行動に対する注意喚起や回避策を実行することなどが可能になるとしている。
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