ガートナージャパン(以下、Gartner)は、2022年7~12月にCEO/上級経営陣を対象に実施した調査の結果を発表した。世界の様々な業界、売上高、規模の企業に属する、400人以上のCEOおよび上級経営幹部から回答を得たという。
同社によると、回答したCEOの21%が、人工知能(AI)を今後3年間で自社の業界に最も大きな影響を及ぼすテクノロジーのトップに挙げた。
また、今後2年間(2023~2024年)の戦略的なビジネス優先課題のトップを尋ねたところ、約半数のCEOが「成長」を挙げ、次いで「テクノロジ関連」「ワークフォース(従業員)」だったという(図1参照)。
回答したCEOの22%は「インフレ」をビジネス上の最大のリスク要因に挙げたという。2023年に顧客の期待を最も大きく変容させると考えられる要因に、約4分の1が「価格感度の上昇」を挙げている。その一方で、CEOの最大のインフレ対応策は依然として「値上げ(回答者の44%)」であり、次いで「コスト最適化(36%)」「生産性/効率性/自動化の向上(21%)」だったとした。
ビジネスに及ぶ様々なリスクの影響について尋ねたところ、CEOの26%は、組織にとって最大のリスク要因に「人材不足」を挙げたという。従業員と内定者の行動を大きく変容させる要因は、報酬を巡る懸念であるとCEOは予測しており、これに次いで、より柔軟な働き方やリモート/ハイブリッド・ワークへの要望が挙げられている。
バイス プレジデント アナリストの藤原恒夫は次のように述べた。「日本の多国籍企業は、盲点となっている地政学的リスクにも早急に取り組む必要があります。CEOの59%が、新たな枠組みのグローバル化、すなわちリグローバリゼーションが今起きていると回答しています。米国、中国、ロシアなどの超大国に囲まれた日本の企業は、今後これらの国の組織とどのように付き合っていくべきか、決断を迫られています」。
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