CSK証券サービスでは中核事業の一環である金融マーケット情報配信サービス「MarketViewer」において、マーケット情報量の増大に耐えうる高可用性を確保するとともに、東証次世代システムの処理能力に対応するため、情報配信基盤の見直しを検討してきたという。
一方、IBMの「WMQ LLM」は、非同期型のメッセージング処理を行うソフトウェア製品「IBM WebSphere MQ」のひとつで、データ量の変動が激しい状態でも常に一定の高速性を保証することを目的として開発された。本製品は、Linux 上で最大94万7,000件/秒の高スループット、最速29マイクロ秒の高速性を持つサーバ-クライアント間通信が可能で、マイクロ秒、ナノ秒単位でのスピード競争が行われている証券業界に適した製品だという。CSK証券サービスは、この高い処理性能を評価して、「WMQ LLM」を採用。
また、これを受け、IBMでは現在、本製品を活用した新しい「MarketViewer」の開発を進めているという。金融マーケット情報配信サービス「MarketViewer(マーケット・ビューワー)」は東証、大証、JASDAQなどからのリアルタイム株価、気配などの相場データをはじめ、種々のチャート、企業情報、ニュース、銘柄情報、決算情報、指標などさまざまな金融マーケット情報をネットワークを通じて証券会社、金融機関などへ配信するサービス。一般投資家向け情報、証券会社の営業員向け情報などの種類がある。
新「MarketViewer」は、1秒間毎の情報処理能力を現行の667件/秒から、東証次世代システムの8,200件/秒をはるかに上回る50,000件/秒と75倍に引き上げ、2010年1月より提供開始する予定。これにより東証の処理能力アップを100%反映した迅速かつ正確なデータを提供する。