エクイニクス・ジャパンは7月10日、メディア向けに2023年度事業戦略説明会を開催した。
米エクイニクスは6月22日で創立25周年を迎えたとして、エクイニクス・ジャパン 代表取締役社長の小川久仁子氏は「1998年にIX(Internet Exchange)のハブから始まったエクイニクスが、今やデジタルサービスを提供するデジタルインフラ企業になった」と振り返る。続けて「今年に入って、毎日AIに関する様々なニュースがある。このAIの技術が実用可能となり、それを使ってビジネスを変えていく。たとえば炎に対してガソリンを注ぐように、デジタル化の波にAIが触媒になって加速させている」と自身の考えを述べた。
次に2022年度の取り組みを紹介。グローバルにおいては、韓国でハイパースケーラ―向けのデータセンターである「xScaleデータセンター」を2つ建設することを発表したほか、オーストラリア・シドニーでは初めて同データセンターを開設した。EMEAでは、西アフリカ地域のデータセンター企業「MainOne」の買収を通してアフリカに本格進出したという。国内では、東京のIBXデータセンター「TY11」、大阪の同「OS3」の拡張が完了。小川氏は、これらの都心型のデータセンターは需要が高いとして、当初の計画よりもTY11は約3ヵ月、OS3は約6ヵ月前倒しで拡張したと話す。
エクイニクス・ジャパンは2023年度の事業構想として、次の図のようなプラットフォーム構想を掲げる。注力したい観点として、「AIとPlatform Equinixの融合」「エコシステムの進化」「サスティナビリティの実践」の3つだとした。
そのうちの「AIとPlatform Equinixの融合」は、1年前の事業戦略説明会でも掲げていたことだったという。小川氏は昨年「分析トレーニングをするにあたって、分散型かつ相互接続が重要だと話した」という。それから1年が経ち、AI実装で顧客要件として、大量のデータをさばくためのインフラや、クラウドへの近接性、低遅延、自動化が必要だと述べた。
ユーザー企業を代表してセガサミーホールディングス 執行役員 ITソリューション本部長 加藤貴治氏が登壇。同社ではグループの中央ハブとしてエクイニクスを活用しており、グループ25社が使用し、総ラック数は67にのぼる。そのほとんどが、動画や音源などのコンテンツだという。エクイニクスを選定した理由として加藤氏は、グリーンエネルギー使用率100%であること、都市型データセンターでアクセスが良いこと、ローカルニーズをくみ取ってもらえることなどを挙げた。
同社では現在、データ活用プロジェクトやGenerative AI(生成AI)の活用が進行中だという。加藤氏はGenerative AIの活用については、今夏から今秋にかけて少しずつ地域を越えて、様々な業務で活用していきたいと意味込みを述べた。
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