IBMは米国時間7月19日、2023年度第2四半期の連結決算を発表した。
IBM会長兼最高経営責任者(CEO)のアービンド・クリシュナ(Arvind Krishna)氏は、次のように述べている。
「企業は、自社の業務変革を実現するために、当社のハイブリッドクラウドとAI、そしてコンサルティングを活用しています。IBMは、信頼できるエンタープライズ向けAIソリューションを求めるお客様のニーズに応え続けています。特に、最近発表したAIプラットフォーム『watsonx』に対する反響を大変嬉しく思います。当社は、2023年通年での収益およびフリー・キャッシュ・フローの成長に、引き続き自信を持っています」
第2四半期のハイライト
1. 収益
- 第2四半期の収益は0.4%減、為替変動の影響を除いた場合は0.4%増の155億ドル
- ソフトウェア事業による収益は7%増、為替変動の影響を除いた場合は8%増
- コンサルティング事業による収益は4%増、為替変動の影響を除いた場合は6%増
- インフラストラクチャー事業による収益は15%減、為替変動の影響を除いた場合は14%減
2. 利益率
- 売上総利益率(GAAPベース):54.9%(160bp増)、営業利益率(非GAAPベース):55.9%(140bp増)
- 税引前利益率(GAAPベース):12.9%(180bp増)、営業利益率(非GAAPベース):15.5%(70bp減)
3. フリー・キャッシュ・フロー
- 年始からの事業活動による純現金収入は18億ドル増の64億ドル、フリー・キャッシュ・フローは1億ドル増の34億ドル
第2四半期のセグメント別業績
1. ソフトウェア事業:収益は7.2%増、為替変動の影響を除いた場合は7.5%増の66億ドル
-
ハイブリッド・プラットフォーム&ソリューションは6%増、為替変動の影響を除いた場合は7%増
- Red Hatは11%増
- オートメーションは1%増、為替変動の影響を除いた場合は2%増
- データ&AIは10%増、為替変動の影響を除いた場合は11%増
- セキュリティーは2%減、為替変動の影響を除いた場合は1%減
- トランザクション処理は9%増、為替変動の影響を除いた場合は10%増
2. コンサルティング事業:収益は4.3%増、為替変動の影響を除いた場合は5.9%増の50億ドル
- ビジネス・トランスフォーメーションは3%増、為替変動の影響を除いた場合は5%増
- テクノロジー・コンサルティングは4%増、為替変動の影響を除いた場合は5%増
- アプリケーション・オペレーションは6%増、為替変動の影響を除いた場合は8%増
3. インフラストラクチャー事業:収益は14.6%減、為替変動の影響を除いた場合は13.8%減の36億ドル
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ハイブリッド・インフラストラクチャーは18%減
- IBM z Systemsは30%減
- 分散インフラストラクチャーは6%減
- インフラストラクチャー・サポートは8%減、為替変動の影響を除いた場合は6%減
4. ファイナンシング事業:収益は26.2%増、為替変動の影響を除いた場合は27.1%増の2億ドル
2023年度通期見通し
- 収益:為替変動の影響を除いた場合の収益成長率は、引き続き3%から5%となる見込み。現在の為替レートでは、為替による影響はほぼないものと予想
- フリー・キャッシュ・フロー:引き続き前年同期比10億ドル以上増加の約105億ドルを見込んでいる
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