日本オラクルは2月6日、第一三共が、「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」を導入したとを発表した。社内6,000人が活用する営業支援システム基盤を「Oracle Exadata Database Service」と「Oracle Cloud VMware Solution」で刷新し、運用コストを低減しながら最大35%の性能向上を実現しているという。
営業支援システムは、医薬品卸から医療機関への医薬品納入実績を管理するシステムを中心に16のシステムで構成。これまで「Oracle Exadata」とVMwareの仮想サーバー約80台で運用していたという。システム刷新では、タイムリーなデータ処理と提供を可能にし、月末月初処理の高負荷に対応することが必須だったとしている。
第一三共は、日立医薬情報ソリューションズと日本オラクルのコンサルティング部門の支援のもと、2022年8月から設計を開始。インフラ環境の構築、データベースのバージョンアップ、データベースおよびアプリケーションの移行、検証などの工程を経て、2023年8月にOCIへ切り替えを完了した。また「Oracle Real Application Testing(RAT)」を活用したSQLとデータベースの性能テストなどにより、移行リスクを最小化し、期間内での移行を実現したという。
OCIへの移行後は、最も時間を要する月末月初の処理時間は約35%短縮化され、システム運用者の待機時間も削減。システム刷新にあたり、最も重要な性能要件となっていた夜間バッチ処理も翌朝までに終了する性能で、ユーザーが常に最新の情報を活用できるという。またコスト面でも、3年で1億円のTCO削減を見込んでいるとした。
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