Zscaler(ゼットスケーラー)は、Avalorの買収を発表した。
これにより、ゼットスケーラーが処理する1日4,000億件超のトランザクションから得られるZero Trust ExchangeTMのデータを、AvalorのData Fabric for Securityを利用して拡張できることになると述べている。
Data Fabric for Securityは、既に150以上のデータソースと統合されており、重大な脆弱性のプロアクティブな特定と予測、運用効率の改善を支援。ゼットスケーラーは、そのデータ基盤を生かしてAIの力をサイバーセキュリティ業界向けに転換し、組織におけるリスクの軽減やパフォーマンスの最適化を支援するとともに、ゼロタッチ運用の基礎を構築しようとしているという。
ゼットスケーラーの創業者であり、会長兼CEOのジェイ・チャウドリー(Jay Chaudhry)氏は次のように述べている。
「AIの質は、その基盤となるデータの質に依存します。多くのソリューションは、組織全体のデータソースから追加のコンテキストやナレッジを取得できず、セキュリティに特化したAIモデルを十分に活用できません。ゼットスケーラーは世界最大のセキュリティクラウドを運営しており、セキュリティに特化した大規模言語モデル(LLM)をトレーニングするうえで最も関連性の高いデータを有しています。今回のAvalorの買収は、脆弱性のより効果的な特定と、侵害の予測および防止を可能にするものです」
AvalorのData Fabric for Securityは、組織のセキュリティシステムや業務システム全体からデータを取り込み、正規化および統合して、実用的なインサイトや分析を提供し、高い運用効率を実現するとしている。セキュリティに特化したデータファブリックによってZero Trust Exchangeを拡張することで、データの収集や集約の複雑性を伴うことなく、AIを活用した分析とリアルタイムの意思決定を強化し、自動化できると述べている。
ユーザーは、動的かつカスタマイズ可能な優先順位付け、合理的なレポート作成、ゼロコピー分析、リアルタイムでのインシデント対応、高度な脅威の検知、データの自動検出、分類、ポリシーの生成を、ゼットスケーラーのクラウドセキュリティ プラットフォームで行えるようになるとしている。
Avalorの共同創業者であり、CEOのラーナン・ラズ(Raanan Raz)氏は、次のように述べている。
「リスク管理態勢の把握と改善には、組織内のさまざまなソースから得られるセキュリティデータを総合的に解釈する能力が不可欠だということを、当社はかねてより理解していました。Data Fabric for Securityを開発したのは、そのような集約されたプラットフォームを提供するためです。当社のデータファブリックで実行される最初のアプリケーションは、統合脆弱性管理(UVM)モジュールです。ゼットスケーラー独自のデータセットをAvalorがサポートする150のサードパーティー ソースと組み合わせることで、高い優位性を持って当社のUVM機能を強化するとともに、サイバー脅威対策上のインサイトを拡充する新たなアプリケーションを生み出せると考えています」