野村総合研究所(以下、NRI)は、製品単位の温室効果ガス(CO2)排出量(カーボンフットプリント:以下、CFP)算定や、欧州炭素国境調整措置向けのCFP算定を行う企業に向けて、カーボントレーシングシステム「NRI-CTS」の提供を、5月14日から開始した。
2024年10月31日以降段階的に、欧州の各種環境法規により、鉄鋼製品、アルミニウム製品、電池、産業用機械などについて、製造、輸送、廃棄時のCO2排出量報告が求められるようになる。これを受けて、企業による製品CFP算定に向けた取り組みが活発化しているという。NRI-CTSは、欧州環境法規対応が必要になる企業に向けた、CO2排出量の追跡・算定・交換のためのソリューションだとしている。
同ソリューションでは併せて、再生可能エネルギー利用の証明書などを添付することで、サプライチェーン上の企業や組織の間で透明性をもって、CFP情報の共有を可能にする。なおNRI-CTSは、Oracle Cloud Infrastructure(OCI)をNRIのデータセンターに導入した「OCI Dedicated Region」で運用しているという。
さらにNRI-CTSでは、KDDIの請求管理サポートサービスと、AXLBITが開発・提供するサブスクリプション管理システム「AXLGEAR」を活用し、料金計算・請求・領収などの間接業務を実施。利用者サポートとしては、KDDIと三井物産の共同出資会社であるアルティウスリンクが運営するコールセンターも備える。
同社は今後、日本以外の国・地域での利用に向けても対応の準備を進めていくとしている。
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