2024年8月29日、STANDAGEは事業戦略発表会を開催した。
STANDAGEは、貿易に係るプラットフォームサービス「デジトラッド」を提供する企業。今回、中小企業向けのパッケージサービス名を「まるなげ貿易」に変更し、大手企業向けを「デジトラッド」とすることを発表した。同社 代表取締役 CEO 足立彰紀氏は、「貿易だけ、システムだけをやっている企業は多くあるが、両方をすべてハンズオンでやっている企業はいない。これが我々の強みだ」と紹介する。
同社は、ブロックチェーンとステーブルコインを活用した新貿易システムの開発を続けており、新興国のように貿易システムが整っていない国・地域においても利用できるよう、eBL(電子船荷証券)発行プラットフォームと連携可能な決済システム構築を目指しているという。「日本の法律上、これまでステーブルコインの流通が認められておらず、日本円に換金できなかったが、資金決済法の改正により国産ステーブルコインの発行が可能になった。既にとある新興国と大手総合商社における南アジアでの貿易において、大型の実証事業を行う準備をしている」と説明。PolygonやEthereumなど、複数のブロックチェーンネットワークが存在する中、eBLとの連携強化のため、デジトラッドによるデジタル金庫を実装した上で相互運用プロトコルである「Layer Zero」を用いて取り引きを担保するとした。
また、8月29日時点で、まるなげ貿易は導入社数が250社を突破。海外貿易ができなかった中小企業において販売実績を上げているという。「海外輸出を行える企業は限られており、製品力はあっても営業力が足りないという企業は少なくない。海外と直接取引ができている中小企業の割合は1%ほどであり、円安をチャンスにできていない」と足立氏。ユーザーには、JETROと併用している企業も多いとした上で、販路開拓や交渉・契約、決済、物流までを一気通貫でサポートできるだけでなく、IT導入補助金の対象となっている貿易プロセスを一元管理するプラットフォーム「貿易クラウド」による、デジタル化も進められる点が強みだとする。
「もはや、中小企業の海外進出は国策となっており、国で埋められない部分を我々のような企業が埋めていくことで、中小企業様の進出をサポートしていきたい。すべての国が、すべてのものに、平等にアクセスできる世界を実現していく」(足立氏)
今後、2027年までに、まるなげ貿易の導入社数を1,000社にまで拡大させていくだけでなく、デジトラッドを貿易業界初となるコンパウンド型SaaSサービスに成長させると意気込みを述べて締めくくった。
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