ジェネシスクラウドサービス(以下、ジェネシス)は2024年9月5日、オリックス生命の「Genesys Cloud」導入について記者会見を開催。同会見では、ジェネシスが行った「CXにおけるAIの利用状況調査」の結果も併せて紹介された。
Genesys Cloudは、AIを活用したクラウド型コールセンターのエクスペリエンス・オーケストレーション・プラットフォーム。ジェネシス 代表取締役の伊藤氏は、「日本のCX(カスタマーエクスペリエンス)は海外に比べ遅れている」としながら、AI時代のCXを変革することを目標に掲げ、エクスペリエンス・オーケストレーションを成長させていくと意気込んだ。
また、同社は係長以上の意思決定者300名(社員数が500名以上の企業)を対象に、CXにおけるAIの利用状況調査を実施。調査の結果、AIを導入済み/導入を計画している企業の57.4%が、CX業務にAIを使用/使用を検討しているとわかったという。一方で、AIでは代替不可な機能としては「信頼の構築」や「顧客の視点や感情の理解」が挙げられているとし、伊藤氏は上記のような課題にもアプローチできるソリューションを展開していくと述べた。
会見後半では、オリックス生命によるGenesys Cloud導入事例が同社 ITクラウド推進部 営業企画部 業務・システム企画チームの棚橋氏から紹介された。同社では従来、オンプレミスのコンタクトセンターシステムをサービス事業者経由で10年以上利用。サービス提供の終了にともない、クラウドサービスでの刷新を検討したという。Genesys Cloudを採用した理由について棚橋氏は「豊富なAPIをもっており、コンタクトセンターシステムと連携可能なソフトフォンを独自開発できること」「1週間に1回新機能が発表され、最新技術を追い続けられること」などを挙げた。
内製化に向けたクラウド刷新を推進するため、オリックス生命はジェネシスのプロフェッショナルサービスと契約し、社内にノウハウが残る形での計画を進めたという。SAFe(Scaled Agile Framework)を適用してアジャイルな導入を進め、開発から導入までを約11ヵ月で完了させたとのことだ。今後の展望について棚橋氏は、SAFeとの連携をより密接にしていくなど、新たなプロジェクトを進めていく予定だと説明した。
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